こんにちは。「はぐれデジタル道」のWeb Yです。
今回は、多岐に渡り活躍の場を展開している 「DJ MiCL(マイケル)さん」をお迎えし、DJを始めるきっかけになった少年時代のお話から、今後の展望までを語っていただきました。
実は、Web YとMiCLさんは同じ年。
ダンス甲子園やメロコア、高校生時代の居酒屋事情などなど、お酒片手に懐かしい同級生ネタ(インタビューでは省略w)で盛り上がる楽しいインタビューとなりました。
今回は前編をお届けいたします。どうぞお楽しみください。
ゴミ捨て場で拾ったレコードプレーヤーがDJの原点
Web Y:DJ初体験はいつですか?
DJ MiCLさん(以下、DJ MiCL):直接の初体験は、5つ上の兄貴の部屋で勝手にレコードを聞いたりして‥‥で、楽しかったから、自分でもDJしたいなと思い、兄貴から中古のレコードを何枚か買って家に持ち帰って。
当時(1994年頃)の北海道(MiCLさんの実家は北海道)では「粗大ゴミの日」というのがあって、ゴミ捨て場に行くと、レコードプレイヤーが捨ててあるんで、それを小まめにチェックしてたら、スピードを変えられる、DJ用に使えるプレーヤーがゴミとして出されていて、それを使って「これも良いなぁ」とプレーヤーを取り替えながら遊び始めたのが最初なんです。
Web Y:実際にDJになろうと思ったきっかけは何かあったんですか?
DJ MiCL:その後も色々な物に一瞬興味を持って‥‥僕、飽きっぽいんでw
でもなぜかDJだけは飽きずに打ち込めたんで、大学生になった頃にちゃんとした機材を買って、それから毎日何時間も練習して、家でもDJ、できればクラブでもDJというDJ漬けの日々を18歳から20歳くらいまではずっとしてました。
Web Y:初めてプレイしたクラブはどこですか?
DJ MiCL:人前で初めてまわしたのは、高校生の頃、学校の同窓会館みたいなところで、クラスのメンバーとやったパーティーですね。
Web Y:当時の北海道はバンドも多くあったと思いますけれど‥‥
DJ MiCL:そうですね。DJの方がレアだったからこそ、それが成功したってのもあるかもしれないですね。
「DJパーティーやるよ」って声かけて、自分の高校だけじゃ人が集めきれないから、他の高校にも声かけて。メロコアばかりかけるDJと僕みたいにハウスやテクノとかをかけるDJと、ヒップホップ、R&BをかけるDJの三人でやったパーティーが最初ですね。
Web Y:どんな高校生が集まったんですか?
DJ MiCL:当時、ダンス甲子園ってのも流行ってたから、ダンサーも多かったですね。50人くらいは集まったんですよ。
Web Y:初めての機材は? あ、ゴミ捨て場発でしたよね。
DJ MiCL:そう。ゴミ捨て場から拾ってきたソニーのホームオーディオ用なんだけど、ピッチコントローラーがついているプレーヤーですね。
Web Y:ん? ピッチコントローラーがついている? それ、なんなんですか?
DJ MiCL:なんなんだろう?w 絶対音感のある人が気持ち悪いからピッチを直すとかなんですかね?なぜかわからないけど、±10%位いじれる機能がついてました。
Web Y:それが落ちてたとw?
DJ MiCL:みんな捨ててた時代だったんですねぇ~。
「どこに行くかわからないから、(MiCLのDJは)毎回楽しいよね!」って言われたい。
Web Y:選曲のポリシーはあるんですか?
DJ MiCL:常に、今かけている曲と次にかける曲のベストマッチをその場に応じて決めて行きたい。というのはあります。
でも、歳を重ねるごとに臆病になっていきますね。
先へ先へと、もっと先のことを考えるようになったのは、経験を積んだからというポジティブな見方というよりは、臆病になっているというか‥‥
曲の展開が僕を運んで行ってくれる所に行っちゃえ!という思いっきりが、最近はなくなってきてますね。
Web Y:それはどうしてですか? よりお客さんを見てるということでしょうか?
DJ MiCL:うーん。お客さんは見てたと思ってたんですよ、前も。
ただ、前は「この曲の後にかけるのはこの曲が良い」と思っていても、レコード箱っていう制約があったんですよ。100枚しかレコードがない、とか。当時はレコードを運んでたじゃないですか。
100枚しかレコードがないと、この曲の後にはこの曲が良い!と自然の流れで行っているつもりでも、どこかでレコ箱の壁にぶつかる訳ですよね。
ここからあっちに行く曲はもう持ってないとか。
あと、この間買った新曲をかけたいとか。
そうなると、強引にそっちに持って行くとかも当然やっていて。
その強引な展開をすることによって、踊っている人の興をそいでしまったかも?と自分の中で勝手に、失敗したと反省することもよくあって。
そういう経験を重ねるごとに、選曲を決めるのに、割と長期的なスパンで事前に考えるような嫌いがでてきてしまっていて。
「どこに行くかわからないから、(MiCLのDJは)毎回楽しいよね!」って言われるようになりたいと思ってます。
Web Y:イベントによって選曲を変えることもあるんですか?
DJ MiCL:そうですね。もちろん、僕のDJとしての特性がわかっている上で選んでくれているときは、あまり気にしないんですけど、例えばより大御所のDJのサポートとして出演する場合とかは、当然後に出るDJがやりやすい曲をかけようと考えたりはしますね。
あとは、具体的な注文があれば、自分がわざわざそのために曲を大量に買わなくてもできることであれば、注文に答えようかなと。
Web Y:あぁ、そのために曲を買ったりするんですもんね・・・
DJ MiCL:まぁ、そのためだけに大量に曲を買わなくてはならないようなほどだったら、極力断るようにしてますね。
Web Y:合わせるのはヤダと?
DJ MiCL:合わせるのがヤダということではなくて・・・自分が気持ち良い曲をかけないとDJをしていても楽しくないので・・・。自分が楽しめる範囲内であれば、むしろあとは、お客さんやお店の希望にどこまでも合わせたいくらいです(笑)
<後編に続く・・・後日公開予定!>
DJ MiCL
1977年生まれ。映像プロデューサー。株式会社ムービーアーツ代表取締役。95年よりDJを開始。雑誌『GROOVE』で連載を持つなど、クラブ・ミュージックシーンでも活動中。DJ関連の映像作品としてはDVD『DJファーストミックス』(東北新社)の企画・制作など。近年はチュートリアル・ビデオ『Pump Up the DJ』シリーズの制作やワークショップの開催など、デジタルDJカルチャーの発展に力を注ぐ。
投稿者:Web Y
営業事務・ロジ担当。
デジタルチックなもの全般に苦手意識あり。
BEATMIXに出会い、DJの世界にも少しずつ興味を持ちはじめる。
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