(2014/03/13)
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こんにちは。「はぐれデジタル道」のWeb Yです。
今回は、世界最大規模のDJバトルDMC JAPAN 2013で関東予選第一位、そしてJAPAN FINALで準優勝に輝いたDJ TAKAKIさんのお宅に突撃訪問!
史上最年少(当時16歳)で入賞を果たした当時のお話から、ストイックに研ぎすまされるターンテーブリズムについて、熱く語っていただきました。
いつも紳士な笑顔で対応してくれるTAKAKIさんは、まさに情熱の人!
まわりの空気をも巻き込み、観衆をTAKAKIワールドに誘います。
こんなクールな青年に成長するには、男児の母として、どんな子育てをすれば良いのかなぁ?なんて余計なことを考えてしまったWeb Y(笑)
そこかしこに闘魂溢れるロングインタビューとなりました。
どうぞごゆっくりお楽しみくださいませ。
最初は見よう見まねで始めて、、。
独学で全て習得しました
Web Y:初めてDJの「音」に触れたのはいつですか?
DJ TAKAKIさん(以下、DJ TAKAKI):
もう十年以上前になりますね。当時VESTAXさんが、大きな大会を主催されてたんですけど、それをたまたまテレビで見たのがきっかけで、ターンテーブルリズムの世界を知りました。
それまでは普通に音楽が好きで、DJに関して何か知っていたわけではないんですが、その時に初めて、スクラッチや二枚使いなど、DJの世界を知りましたね。当時は、ものすごい衝撃を受けました。
Web Y:耳で聞くというよりも、目で見る情報の方が早かったという事ですか?
DJ TAKAKI:そうですね。
Web Y:衝撃を受けたあとから、「これを自分もやってみたい!」と動き始めた期間というのはどのくらいでしたか?
DJ TAKAKI:テレビで放送されていたものを録画して、何度も何度も繰り返し見てたんですけど、そんな事を繰り返しているうちにターンテーブルをゲットして、最初は見よう見まねで始めて。
別に誰に教わったわけでもなく、独学で全て習得しました。
Web Y:どなたか憧れていたDJさんがいたのですか?
DJ TAKAKI:とくに憧れていたDJさんというのがいたわけではなく、機材の仕組みを映像を見ながら学び、想像し、実際に機材に触れて、真似をして練習していきましたね。
Web Y:初めての機材を教えてください
DJ TAKAKI:テクニクスのSL-1200 MK3ですね。
もう13年使ってますね。気づけば人生の半分を共に歩んできましたw
初めてDMCに挑戦したのが15歳、、初めてJAPANファイナルに残れたのが16歳、、、。
Web Y:初めてDJバトルに出場したのはいつですか?
DJ TAKAKI:初めて大会に出たのは、練習を始めて2年後の2001年くらい。
クラブイベントではなく、DJバトルで全く初めて人前でDJしましたね。
Web Y:えぇっ?!それは凄い勇気というか…?!
DJ TAKAKI:当時僕は14歳とか15歳で。
Web Y:周りにはいなかったですよね?
そういう同級生は。
DJ TAKAKI:いないです。
Web Y:それから、DMCに挑戦するようになったんですね?
DJ TAKAKI:そうですね。色々なDJバトルに何度か出続け、初めてDMCに挑戦したのは、15歳。で、初めてJAPAN ファイナルに残れたのが16歳。
今、27歳なんで、10年選手なんですよね。なんか特別な思いがありますね。
Web Y:10年かぁ、、、
DJ TAKAKI:
一番最初にJAPANファイナルで3位に入賞できたのが16歳で、その後も何度か挑戦して2位が取れた年もあって。でもまだ1番は取ってない。
一番最後にDMCに出た年は2009年で、まぁ、3、4年前ですよね。
で、そこからちょっと一回、DMCとかターンテーブリズム的な事とは距離を置く時期があって。まぁ、いわゆるDJプレイとか、楽曲を制作したりとか、DJとしての活動はしてたんですけどね。
それで今年、改めてターンテーブリズムに対するモチベーションがどんどん湧いてきて、「DMCが復活します」というニュースを聞いて、また火が点いたというか、、。で、また挑戦することにしました。
Web Y:練習は、一人でやることが多いのですか?
DJ TAKAKI:練習は基本一人。たまにDJやターンテーブリストの仲間が家にきてやることもありますけど、基本は全部一人でやってますね。
Web Y:人の意見を取り入れたりすることはあるんですか?
DJ TAKAKI:最近やるようにしていますね。
過去の自分の映像を見返して、自分の良い面、悪い面を的確に捉え、自分に足りない部分や今まであまり意識していなかった部分を考えたりしています。
悪い部分を全て紙に書き出したりとか。良い面も含めて、強みと弱みを自分で理解しようと思って。どんどん突き詰めて、常に自分を追い込んでますね。
Web Y:対戦相手を意識したルーティーンを作ったりするんですか?
DJ TAKAKI:基本は「自分がやりたいこと」が明確にあるんです、僕。
多分そのこだわりは、人より絶対強いと思うんで。ただ、そのオリジナリティーに走ったルーティーンがDMCという場に適しているんだろうか?とは考えたりするんですけど、、。
まさに今の課題は、そこなんですよね。「ターンテーブリズムの本質的な部分」と「自分が思い描くターンテーブリズム」の二つを一緒に固めています。今までは自分のやりたいターンテーブリズムに走りがちだったんですけど、色々考えるようになりましたね。
Web Y:自分がこだわりたいものと、審査員や観客が求めているものの折り合いをつけていますか?
DJ TAKAKI:つけますね。だから、、ちょうど良い部分なんですよね。どっちにも走りすぎず、ベストな部分を自分で見つけること。
すごく大変なんですけど、その部分を自分で掴まないと、良いものにまとまらないんで。
Web Y:ルーティーンを作る時は曲とパフォーマンス、どちらが先ですか?
DJ TAKAKI:曲からですね。現場でこの曲が流れたら、どういう雰囲気になるだろうな..と意識して選曲してますね。
DMCの時は、ルーティーンにした時に映える曲、映えない曲ってあると思うんで。ま、そこの正解不正解のラインは自分判断ですけど。
その自分の正解ラインに沿って、使える曲、使えない曲を選んでます。使える曲は毎日色々チェックして、まとめてはあるんですよ。
でも、そこから確実に作れるか?というと、そうでもなくて、どうしても作れない曲ってあるんですよね。もともと完成している曲を、ターンテーブルを通して一旦崩して新しい曲にするって事なんで、どうしてもできない曲ってのも出てくるんですよ。
だけど、ま、色々試してダメだったり良かったりを繰り返して、良かった部分や自分なりに気持ちよく感じた部分とかを的確にまとめていきます。
Web Y:DMC WORLD CHANPIONになった暁には、何かやりたいこと、また展望はありますか?
DJ TAKAKI:単純に、僕のベーシックにあるターンテーブリスト、ターンテーブリズム的な部分の終着点(?)ではないのかもしれないけど、絶対にDMCの世界チャンピオンになりたいし、その肩書きも欲しいんですよ。
自分がやりたい音楽の方向性だったり、どういうDJになっていきたいかっていう展望みたいなのも現時点でですが、もうハッキリと見えています。DJや音楽を通して今よりももっともっと沢山の人々と関わりたいし、広い世界が見たいんです。
その為という訳ではないのかも知れないけど、やっぱりDMCの世界タイトルを穫る事は絶対諦められない。
Web Y:将来的に、何かやりたいことはありますか?
DJ TAKAKI:うーん。ずっとDJでいたいです。
Web Y:海外での展開等も考えてますか?
DJ TAKAKI:それはもちろん、海外でもDJしたいですね。
Web Y:海外でやるとなると、やはりチャンピオンの肩書きがさらに重要になってくるんでしょうね?
DJ TAKAKI:そうですね。
Web Y:職業としてDJを続けて行くお気持ちなんですよね?
DJ TAKAKI:もちろんもちろん。
Web Y:「DJ with◯◯」(何か他のジャンル)な展開について考えたことはありますか?
DJ TAKAKI:そうですね。そういう意味ではターンテーブリストはそういう能力を持っているんで。
僕は楽曲制作もやっているんですけど、そっち方面もしっかり固めていきたいし、バンドの中でDJをやっていた時期もあって。
スクラッチは言わば演奏なので、いろんなミュージシャンと演奏できますよね。ターンテーブリストの強みを生かして、いろいろな事をやっていきたい気持ちはありますね。
自分たちの世界だけにとどまっていないで、ターンテーブリズムカルチャーを知らない人に、どれだけ魅力的に聴かせるか。そこはすごく大事だと思うんですよ。
Web Y:聞く所によると、ターンテーブリストの方々は、あまりクラブに遊びに行かないとか?
DJ TAKAKI:僕は殆どの週末はクラブでDJをしていますし、自分のDJが入っていない時も僕はクラブに遊びに行きます。
ターンテーブリスト反面、1″DJ”としての意識も強く持っています。ターンテーブリストでもそういう人たちは増えていると思いますよ。
自分たちの世界だけにとどまって安心していないで、ターンテーブリズムカルチャーを知らない人に、どれだけ魅力的に聴かせるか。そこは凄く大事だと思います。
Web Y:(唐突ですが、、)どんな少年だったんですか?
DJ TAKAKI:普通の少年でした(笑)
Web Y:初めて音楽と出会ったのは?初めて買ったCDとかありますか?
DJ TAKAKI:小学校三年生ぐらいですかね。父親と母親が結構音楽が好きな方で、家に音楽を聴く環境はありましたね。
父親や母親が聴いているものを自分も聴いてみたりとかしだしたのは、小学校ぐらいでしたね。
Web Y:レコードプレイヤーが家にあった?
DJ TAKAKI:リスニング用ですけど、ありましたね。
僕は姉が二人いるんですけど、姉達は普通にピアノとか習ってるのに、なぜか僕だけDJの方向にいってしまって、、(笑)
Web Y:ご両親はTAKAKIさんが活躍している事をご存知なんですか?
DJ TAKAKI:知ってます知ってます。観には来ないですけどね(笑)
Web Y:若い頃からこの業界にいるTAKAKIさんですが、27歳という”今”についてどう考えていますか?
DJ TAKAKI:僕自身はもうとっくに”自分が若い”という意識とか持っていないんですよ。幸運な事に10代の頃から色々とやってこれて、20代の中ではもう後半戦ですよね(笑)
業界全体レベルで考える事も大事ですが、それよりも一番大事なのは自分自身がどう在ってどう動いていくかっていう凄く当たり前な事なんですよね。バランスが大事で。
音楽が大好きで、アートやファッションだったりも大好きで、もちろんクラブも大好きで、だけどクラブシーンじゃない音楽のシーンも知っているしそこも大好きで、幸運な事に僕はそれらにDJとして音楽を通して関われていて。
活動していく中で出会えた仲間や、尊敬する大先輩、そして応援してくださる方々には本当にいつも感謝の気持ちで一杯です。
やっぱりいつでも他の人が出来ないオリジナリティこそが強みだと思っているんで、そういう面においては僕はDJの中でもターンテーブリストの中でも凄く自信があるので、そこをもっと強く固めてどこまでも突き抜けたいんですよ。
自分にとって大事な物事や考え方が明確に見えているので、もう、いろいろと、迷いが無いんです。
Web Y:今、クラブの存続自体、危うい所がありますね。
そのあたりの事は、どう考えてますか?
DJ TAKAKI:
この前、業界の大先輩達が主催している”クラブとクラブカルチャーを守る会” の風営法勉強会に参加して来たのですが、風営法の問題は今実際、規制緩和の方向へ向かっているようです。
大事なのは規制緩和の流れになった時に、クラブの現場に居る僕達(お客さんも含めて)の
最低限の”モラル”とか”マナー”とか、そういう品性的な意識を高く持つ事、そういう所は大事なんだろうなと思います。
後は、2020年の東京オリンピックに向けて、国策として”クラブカルチャー”をしっかり
産業化しようという流れも有るみたいで、そうなった時に大事なのは、クラブカルチャー全体のレベルを上げる事だと思っていて、しっかりと世界に誇れるレベルが高いDJやミュージシャンが出演している事だったり、時代を動かす最先端のカルチャーやビジネスが産まれる場所がクラブだったりとか、そういう、僕含め、出演者や内側に居る人達も意識を高く持つのは大事なんだと思います。
Web Y:長時間ありがとうございました。これからも頑張ってくださいね!
DJ TAKAKI:ありがとうございました。
今宵も、奥深いDJの世界に乾杯〜♪
<終わり>

DJ TAKAKI
日本トップクラスのターンテーブリスト。
世界最大規模のDJバトル「DMC」において過去史上最年少(当時16歳)となる入賞を果たす。
また2007年・2013年度の同大会、国内最終決勝においてはそのオリジナリティ溢れるプレイを完成形まで高め会場を圧倒し、優勝者とわずかの僅差で2位入賞を果たす。
DJバトルにて鍛え上げられた圧倒的な技術力を武器に、UK Bass Music、ROCK、世界中の革新的エレクトロニック・ミュージックから多大な影響を受け、独自の音楽解釈でDJプレイに反映し攻撃的でカッティング・エッジ且つ壮大でスタイリッシュなサウンドスタイルを軸にプレイを展開する。
スクラッチ、ビートジャグリング等も練り込まれた計算しつくされたセットは、まさに圧巻の一言。
ageHa、WOMB、UNIT、VISION などの有名クラブへの出演は勿論の事、国内最大級の野外レイブフェスティバル「METAMORPHOSE」内のドラムンベース専門ステージ “ortfo’n’bass”への出演。また、日本のBass Musicシーンを代表する最長のトップパーティー”Drum & Bass Sessions”では、ドラムンベース界のレジェンド GOLDIE とも共演を果たし、賞賛を受ける。
その他にも、アパレルブランド “LACOSTE L!VE”のLaunch PartyではショーのメインDJを担当。世界的なエナジードリンク”Monster Energy”主催の4千人以上を動員したプロモーションイベント”KEN BLOCK’s TOKYO EXPERIENCE”にてイベントのメインDJを担当するなど、 シーンの垣根を越えた幅広い活動が注目される。
企業イベントや企業プロモーション映像への音源提供、自身の楽曲制作も精力的に行っており、ビートメーカーとしても注目を集め今後の活躍が期待される。
名実共に実力を備えた新時代を担うターンテーブリストである。
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営業事務・ロジ担当。
デジタルチックなもの全般に苦手意識あり。BEATMIXに出会い、DJの世界にも少しずつ興味を持ちはじめる。製品の在庫状況につきましてはお任せください!
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