本連載を開始する前、BITWIG STUDIOがリリースされる更に前に、公開されたベータバージョンをチェックしながらそれとなく機能を紹介する記事を書いていたのですが、前回は発売前に少し触れてその後詳細を紹介し忘れていたSlice to Drum MachineとSlice to Multisampleについて改めて紹介しました。
他にも見落としがあったりして…と読み返してみると、各シーケンス間や複数のソング間でクリップのコピーを行なう機能について触れている回に説明が間違っているというか、当時は情報が少なかったので見落としていた機能があったので、改めて補足したいと思います。
■ 記事一覧/もくじ:BITWIG STUDIOで良い感じに音楽を作ろう!
クリップだけコピーしてインストゥルメントは別でロード?面倒です。
BITWIG STUDIOにはアレンジャータイムラインとクリップランチャーという2つのシーケンサーがあり、それぞれは同時に動作しています。
アレンジャータイムラインはごく一般的なDAWソフトと同様に、時間軸に沿ってレコーディングを行なうもので、クリップランチャーはクリップ単位でループ管理しながらフレーズをスケッチしていくというものですが、それぞれのシーケンサー同士でクリップをドラッグ&ドロップで簡単にコピーすることができるので、クリップランチャーで思いつくまま作成やレコーディングしたフレーズをタイムラインに並べて曲として完成させるという使い方ができます。
これは本当にフレキシブルで、アイディアを形にするための優れたツールだと、BITWIG STUDIOを自信をもってお勧めできる機能のうちのひとつです。
2つのシーケンス間のクリップのコピーや複数同時起動したソング間でのクリップのコピーについてご存知ない方は、是非リリース前の記事をご一読ください。
BITWIG STUDIOは複数のソングファイルを同時に起動しておけるのがとても便利なのですが、2つのシーケンス間のみでなく、ソングをまたいでドラッグ&ドロップでクリップをコピーできるのがとても助かるシチュエーションがあります。
そんなにしょっちゅうではないですが、いざという時に便利という機能ですね。
発売前に紹介した記事内の動画で、ソングをまたいでクリップを移動しているところを紹介していますが、コピーするクリップがオーディオなら動画の通りで問題ないのです。ないのですが、動画ではインストゥルメントのクリップを移動していて、異動先トラックにインストゥルメントがロードされていないので、あとからロードし直すという手間をかけています。
つい先日改めて記事と動画を見直してみると、『トラックごと行ったら良いじゃないトラックごと!』と自分でツッこむ始末だったのです。
ドラッグ&ドロップでコピーできるのはクリップだけではなくて、そのクリップが含まれるトラック単位でもコピーできるので、インストゥルメントが含まれる場合や、オーディオクリップの場合にもトラックにエフェクトがロードされている場合はトラックごとドラッグ&ドロップすることですべての設定を一括してコピーできるというわけですね。
ドラッグ中にクリップランチャーを表示する
もう1点、ソングをまたいでクリップをコピーする際に、例えばオーディオクリップを別のソングのクリップランチャーにコピーしたいというような場合。
BITWIG STUDIOは新規ソングを作成した場合、アレンジャータイムラインのみが表示されるようになっていて、クリップランチャーは表示されていません。
このような場合、1度アレンジャータイムラインにコピーしてクリップランチャーを表示して更にコピーするのか、それとも予めクリップランチャーを開いておいてからコピーするのか?ということになりますが、ソングのタブにフローティングして表示するのと同じように、クリップランチャーの表示/非表示のアイコンにフローティングすることでクリップランチャーが表示できるので、操作も1度で済みます。
ひとつだけ、クリップランチャーの表示アイコン上にフローティングしてクリップランチャーが表示された時点でドロップしてしまうと、クリップランチャーが表示されるだけでコピーが行なわれない点に注意が必要です。
今回の内容を動画で確認してみます。
いかがでしょうか。
トラックごとドラッグ&ドロップすることでインストゥルメントやエフェクトごとすべての設定を別のソングにコピー可能ですので、2度手間を防げますね。
では今回はこの辺で。
引き続きBITWIG STUDIOで良い感じに音楽制作を楽しんでください!
それではまた次回!!