(2015/03/31)
前々回、連載46回目でコンテナデバイスのドラムマシンはただのサンプラーではないという内容をお送りしましたが、合わせてInstrumentsに含まれるSamplerについての解説もしたいと思っていたのを、私すっかり忘れておりました。
最近では超高機能なソフトウェアサンプラーは複数のメーカーから何種類もリリースされていますし、DAWソフトに付属していることも珍しくなりましたね。
BITWIG STUDIOにもSamplerという、これでもかと言わんばかりにそのものズバリな名称のサンプラーが付属します。
シンプルなのは名称だけでなく、機能も押さえるところは押さえて、シンプルで使いやすいデバイスになっているので、サンプラーの基本構造を勉強するのにも最適です。
■ 記事一覧/もくじ:BITWIG STUDIOで良い感じに音楽を作ろう!
サンプラーもシンセみたいなもの
Multi Samplesからではなく、InstrumentsフォルダからSampler本体のみをロードしてみるとこのような見た目になっています。
ぱっと見シンセっぽいですがそれもそのはずで、元をただせばサンプルを鍵盤に並べて演奏するものがサンプラーなので、シンセのオシレータが自分で選んだサンプルのシンセみたいなもんなのです。
説明が乱暴な上に『何言ってんだ感』が尋常じゃない雰囲気でお送りしています。
サンプラーの歴史についてはもっと詳しくて面白いサイトや解説本が山のようにあるのでここでは割愛してですね、早速サンプルを読み込んでみたいと思います。
何も読み込まれていないSamplerを見てみると、いかにもサンプルをドロップしてくれと言わんばかりのスペースがあります。
Drop sample/multi-sample here.と書いてあるので間違いないですね。
ここにサンプル(オーディオデータ)やマルチサンプルをドロップすべしという表示なのですが、この時ひとつのサンプルを使用するのか、複数のサンプルを使用するのかで設定の仕方が多少変わってきます。
ひとつのサンプルで遊んでみる
ひとつのサンプルを使用する場合は、そのサンプルをそのまま鳴らすだけなのか、サンプルに音階を与えるのかで考え方と設定が変わります。
まずはサンプルをひとつドロップしてみました。
デフォルト状態ではDrop sample/multi-sample here.という文字だけが表示されていた部分に、ドロップしたサンプルの波形が表示されました。
この時点でキーボードからのノートを入力してみると、すべての鍵盤でロードしたサンプルが再生されます。
波形の左右にある黄色い旗のようなものは、サンプルのどの部分を演奏するかを設定するもので、samplerに取り込む前に波形編集を行わなくても、使用する部分を簡単に選択できるのです。
+0.00 dbという表示はサンプルの音量調整で、左向きの←をクリックして有効にするとサンプルをリバース(逆再生)します。
更にその右、右回転の矢印はサンプルのループを有効にします。
キーボードの鍵盤を押し続けている間、サンプルをループ再生し続けるようになります。
ループを有効にすると、ループ範囲を設定する青い旗のようなものが表示されます。
この青い旗のようなものをドラッグして、キーボードを押したままにした時にループする部分を選択します。
サンプルをドラッグするスペースの左上、キーボードのようなアイコンをクリックすると、トラッキングが有効になります。
トラッキングというのは、サンプルに音階を与えて演奏できるようにするもので、基本となるノートを選択(画像ではC3)を設定して、その上下は単純なストレッチを掛けることになります。
ターンテーブルでレコードを再生しているところを想像してみてください。
普通に再生しているところから早く回すと音声は高く、遅く回すと音声は低くなりますね。
あのような効果を機械的に行うのがトラッキングです。
ここまでの内容を動画でご確認ください。
いかがでしょうか。
生楽器の再現はもちろん、自分の声を録音したサンプルをロードして音階を与えてみたり、遊びながら学ぶには最適のSampler。
いろんなサンプルをロードして試してみてくださいね。
次回はマルチサンプルを扱う場合の解説をしたいと思いつつ引き続きBITWIG STUDIOで良い感じに音楽制作を楽しんでください!
それではまた次回!!