Sugar Bytes社がリリースしているソフトウェア音源は、どれをとってもSugar Bytesらしい個性的なものばかりですが、その中でもコンセプトや存在感が際立っているものに、ワブルサウンド生成マシーンCyclopがあります。
Cyclopはソフトウェア音源の中では比較的安価でありながら、代表的な使用アーティストにBoysNoize, Skrillex, Peaches, Modeselektor, SiriusMo, Mouse on Mars, Biohazardなどなど、有名アーティスト多数だったりします。
憧れのアーティストと同じ楽器が欲しいけど高価過ぎて手が出ないというのは良くありますが、ソフトシンセなどはある程度手が出やすいというのは嬉しいところですね。
さて、そんなCyclopですが、使用しているうちに音が出なくなってしまうことがあります。いや、ありえます。
そこまで頻繁にということもありませんが、柔軟なサウンドメイクが可能な反面、設定によっては音が出なくなるような状況も作れてしまうので、偶然音がでなくなって困ってしまったという問い合わせを受けることがあります。
マニュアルにも記載がありますが、念のためもう少し噛み砕いて説明してみたいと思います
Cyclopのサウンドがミュートされてしまう条件
ゲーターが OFF になっている場合
FX Sequencerを開いた状態でFXシーケンサーの上(画像中央の赤枠部分)をみると、Gaterがあります。
これは左のClockで1ステップの長さを指定して、各ステップをクリックすることでゲートのOn/Offを指定します。
ゲートを開いたり閉じたりすることで、ただ鍵盤を押さえ続けるだけのロングトーンがリズムになるといった具合ですが、すべてのステップが消灯している場合、ノートを入力してもすべてのステップのゲートが閉じているのでサウンドは出力することができません。
マスター・レベルのモジュレーション設定の場合
モジュレーション・アサイン・スクリーン内のマスターボリューム(画像青枠部分)がENVやSoundで0になるような条件の設定を行った場合、サウンドは出力されません。
モジュレーション・アサイン・スクリーンの左から2番目のスライダーが下に振り切っている場合は適度に上げた状態で確認してみてください。
フィルターのカットオフ設定の場合
フィルターの設定によっても音が完全にミュートされてしまう状況が考えられます。
ローパスを選択してカットオフを最低に振り切っていたり、ハイパスを選択してカットオフが最高に振り切っているというような場合に無音になってしまう場合があります。
この場合はカットオフを操作してサウンドをチェックしてみてください。
オシレーターが無効になっている場合
これはうっかりミスの部類ですが割とあります。
オシレータのそれぞれS1/S2というボタン(画像黄色枠)をクリックすることで各オシレータを個別にOn/Off可能です。
両方無効にすることができるので、この場合はオシレータからのサウンドは出力されません。
このトラブルは完全に音が消えてしまうというよりは、サブオシレータの音だけが出力されていて『何か変な音がしている』ということが多いように思います。
Cyclopのサウンドが出力されないというトラブルでは以上のような内容がほとんどですが、これ以外にもシリアルナンバーが正しく入力されていない場合にもサウンドが出力されないという症状が起こるようです。
その場合はスタンドアロン起動したCyclopのAbout画面でシリアルナンバーを確認し、(VALID)と表示されていることを確認してください。
Cyclop NKS ready !!
もう一点、Cyclopといえば、1.2.0アップデートによって、Sugar Bytes製品では初めてNKS対応しました。
NKSはNative Kontrol Standardの略で、Native Instruments社のMaschineやKomplete Kontrolでプリセット表示するためのものですね。
NIユーザーの皆さんには使い勝手が大きく向上すると思いますので、アップデートを実行しておいてください。
アップデートインストーラはSugar Bytes社のUpdate / Full Version Downloadページに登録eメールアドレスとシリアルナンバーを入力してログインしたページからダウンロードします。
この場合、インストール中にNKS Presetのチェックは必ず選択した状態で実行してください。
※画像はMacバージョンのものです。
それでは今回はこの辺で。
また次回!