今回はSugar Bytes社最新シンセ、Factoryの解説記事第4弾です。
前回はMODULATION MATRIXと組み合わせてFactoryのサウンドを構築する機能の中から、MODULATORSを紹介しました。
今回も同じくMODULATION MATRIXと組み合わせて使用する機能で、SEQUENCERを紹介します。
SEQUENCERはソフトウェアシンセサイザーではお馴染みのステップシーケンスですが、一般的なOn/Offとその値のみを操作するものと比べてステップごとのエンベロープの自由度が高いのと、何よりMODULATION MATRIXと組み合わせることで、ピッチだけでなくFactoryの様々な機能をSEQUENCERでコントロールすることができます。
そしてその数は4台!
ステップシーケンサーの定義
FactoryのSEQUENCERはこのような見た目になっています。
左端に1から4の数字が見えますが、この数字をクリックすることで4つのシーケンスの表示を切り替えて設定を行います。
ステップ数は最大16ステップで、左上右上にそれぞれある内向きの三角マークのロケーターをドラッグすることで範囲を指定できます。
ステップシーケンス右にはステップの動作を定義するメニューが並んでいます。
左上のアイコンをクリックするとワンショットが有効になり、ロケーターで設定した範囲を一度再生したら最後のステップの値で留まります。
右上のアイコンではステップのレンジを変更します。
+のみが点灯している場合ステップの最下端が0、最上端が100%になり、+/-が点灯している場合はステップ中央が0で、上下それぞれに100%の値になります。
Clock Dividerで1ステップごとの長さを設定し、Global Swingでスイング値を設定します。
Clock Dividerは1から4のシーケンサーそれぞれ独自に設定可能で、Global Swingはすべてのシーケンサーに同じ値を設定します。
SEQUENCER内右端には各ステップの描画情報の設定メニューがあります。
上の2つの矢印は、クリックするたびにロケーター間の描画情報を左右に移動します。
ロケーター端まで移動した情報はもう一方のロケーター位置に移動します。
3番目のアイコンで描画情報のコピー、4番目のアイコンでペーストできるので、現在のシーケンスの情報を別のシーケンスにも適用したい場合に便利です。
サイコロアイコンはSugar Bytes製ソフトウェアではお馴染みのランダマイズで、Xボタンでシーケンス情報をすべて初期化します。
36種のステップエンベロープ
FactoryのSEQUENCERをオーソドックスな使い方をしようとした場合、このような見た目になると思います。
画像はステップごとに上下にドラッグして値を設定したところですが、各ステップの下に矩形波のような表示があるのが見えると思います。
ここをクリックすると、このようなメニューが表示されます。
これは36種類用意されているエンベロープを各ステップごとに自由に設定するためのメニューです。
ステップを選択した絵の通りにするもので、線が複数あるものはそのステップを均等に割るので1ステップの長さを4分音符に設定した場合は2本のメニューは8分、4本のメニューは16分音符分の長さということになります。
ひとつだけ、1段目左から2番目のメニューのみ見た目から結果が判らないのですが、これは2段目1番左のメニューや2段目右から3番目のように、直線を引く時に使用します。
ただし、終点が必ず次のステップの値と同じになるため、次のステップの値を変更すると追従して値が変化します。
MODULATION MATRIXと組み合わせてオシレータのピッチやパンニングなどを思い通りに操作できるのはもちろん、ボリュームとカットオフを同じシーケンスから操作して簡単にワブルベース的なサウンドが作れたり、前回紹介したLFOのスピードをステップシーケンスでコントロールするなど、多様な組み合わせで様々なサウンドが楽しめます。
Factoryに興味が湧いた方は是非製品ページからデモバージョンをダウンロード/インストールして試してみてくださいね。
Factory解説連載第5回に続きます。