前回異なる環境に移動するのを見越したセーブ方法についての解説を行いました。
プロジェクト内で使用されているループやレコーディングしたオーディオファイルをフォルダにまとめてセーブするという方法で、この方法であれば別のコンピュータにインストールしたBITWIG STUDIOにプロジェクトを移動した場合にもファイルが見つからないというトラブルがなくなります。
ところが、バンドやユニットのメンバー間でプロジェクトのやりとりをしていると、どういうわけなのやらあるべきファイル、特にオーディオファイルが見つからないというトラブルが発生することがあります。
今回は気をつけていたはずでもオーディオファイルが見つからなくなってしまった場合の対処法についてご案内します。
別の環境から移動してきたプロジェクトのオーディオがない!
別のコンピュータで作成されたプロジェクトファイルを何らかの方法でコンピュータに取り込み、BITWIG STUDIOでロードしたとします。
ロードしたプロジェクトのクリップを一通り見てみて、例えばこの画像のようになっていたとします。
この例の画像のプロジェクトでは全部オーディオトラックが使用されているので、一番目のトラックのクリップも波形が表示されているはずなのですが、一切波形が表示されていません。
試しにクリップをダブルクリックしてエディタパネルを表示してみても、やはり波形は表示されずにクリップは空の様子です。
見つからないファイルの対処法の前に、同じ状況はプロジェクトを移動しなかった場合にも発生する場合があります。
例えばレコーディングしたファイルをBITWIG STUDIOではなくフォルダから直接移動したり削除してしまった場合などです。
このような場合、見つからないファイルを再設定するか、このプロジェクトでは使用しないように設定する必要がありますね。
ミッシングファイルの再設定方法について
プロジェクト内でファイルが見つからない状態にあるとして、送ってもらった、または移動先が分かる場合の再設定方法を紹介します。
画面右下のアイコンで、BITWIG STUDIOの右端に表示する内容を変更することができます。
デフォルトではブラウザパネルが表示されていますが、左から2番目のアイコンをクリックするとプロジェクトパネルを表示することができます。
初期状態ではプロジェクトのInfoメニューが開きます。
ここではプロジェクトの詳細を設定しておくことができます。
せっかくなので項目の訳を。一応。
Title:タイトル
Artist:アーティスト
Original Artist:オリジナル アーティスト
Album:アルバム
Writer:作曲者
Producer:プロデューサー
Year:製作年
Genre:ジャンル
Copyright:著作権
ほとんどカタカナで通じてしまう勢ですね。
さて、今回の本題はInfoの右、Used Files。
このメニューを開くとプロジェクト内で使用されているすべてのファイルの一覧が表示されますが、ファイル名がグレイアウトして赤いドットが表示されているものは現在見失っているファイルと判断することができます。
また、この例の画像ではShow Allが選択されていますが、Missingを選択することで見失っているファイル名のみの一覧を表示することもできます。
ファイルが手元にある、保存先が分かっているという場合には下のメニューからFind Allをクリックします。
フォルダが開くので、ファイルが含まれるフォルダを指定して開くと、再設定が行われます。
Projectメニューの下側メニューではFind Allの他に前回紹介したCollect and Saveと、Delete Unused(使用しないファイルを削除)も選択可能です。
ミッシングファイルの再指定後、ミッシング状態だった赤いドットが黄色に変化している場合は保存時に注意が必要です。
黄色いドットはそのファイルがプロジェクトファイルの外に保存されているものにリンクされていることを表しています。
編集後、また別の環境にプロジェクトを移動する場合には忘れずにCollect and Saveを実行して、プロジェクトフォルダ内にファイルを集めてセーブしないと、別の環境に移動した時にファイルがないということになってしまうのですね。
Missingメニューと同じように、プロジェクトフォルダの外にあるファイルの一覧は、Externalメニューを選択することで表示可能です。
万が一ウッカリCollectを忘れてプロジェクトを渡してしまった場合にはここでミッシングになっているであろうファイルの一覧を確認しましょう。
といったところで、引き続きBITWIG STUDIOで良い感じに音楽制作を楽しんでください!
それではまた次回!!