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Vertigo マスターガイド 〜 アディティブシンセのアクティブ活用術 〜 vol.3

前回に引き続きVertigoのパラメータレイアウトをチェックしていきましょう。
今回はフィルターセクションです。

フレキシブルな設定が行なえるフィルターセクション

Vertigoのフィルターセクションは、前回チェックしたエフェクトセクションの左となりにレイアウトされており、2基のフィルターを装備しています。

Vertigoのフィルターセクション部分。尚、図中央下部の“ MORPHING ”セクションはフィルターセクションではないので、改めて解説の予定。

各フィルター共にLPF(4ポールのローパスフィルター)、HPF(4ポールのハイパスフィルター)、BP1(2ポールのバンドパスフィルター)、BP2(4ポールのバンドパスフィルター)、NTF(4ポールのノッチフィルター)、PKF(4ポールのピークフィルター)という6タイプのフィルターが用意されています。これらのフィルターは個々にフィルタータイプなどのパラメータ設定やオンオフが独立して行える他、2基のフィルターをシリアル接続あるいはパラレル接続して複雑なフィルター効果を得ることも可能です。

プリセット音色“ PAD:StringWow ”をチョイ足しエディット

ではファクトリープリセットの中からPADカテゴリーにある“ StringWow ”を例にエディットしてみましょう。

ファクトリープリセット“ PAD:StringWow ”エディット前の状態。

ファクトリープリセット“ PAD:StringWow ”エディット後の状態。

この音色は、少々エッジが強いサウンドなので、少し柔らかめのサウンドにして使用したい場合には高域を少しカットすると良いでしょう。

最初の設定ではフィルター1にバンドパスフィルターが設定してありますが、高域の調整にはローパスフィルターの方が適していますので、フィルタータイプをLPF(ローパスフィルター)に変更します。

黄色の枠線で囲んだ部分がフィルタータイプを設定するパラメータ。フィルタータイプ名の左にある▲▼をクリックすると変更できる。

あとは好みに応じてカットオフとその隣のQ(レゾナンス)を調整すればオーケーです。

また、更に細部を調整したい場合にはフィルター2をオンにして併用すると効果的です。

各フィルターのオンオフは図示した位置のボタンをクリックすることでオンオフ切替が行なえる。


内藤朗

キーボーディスト、シンセサイザープログラマー、サウンドクリエーターなど様々な側面を持ち、S.E.N.Sのレコーディングサポート、安部OHJIの様々なプロジェクトでのレコーディング、ライブなどに関わるなど、作編曲からレコーディング制作、ライブ演奏など多方面で活動中。MIDIやDTM関連の分野では黎明期から今日に至るまで長きに渡り関わっており、多様な経歴を持つ。また、音楽制作系のライターとしても広く知られ、近著に「音楽・動画・ゲームに活用! ソフトシンセ 音作り大全」(技術評論社刊)、共著「ミュージッククリエイターハンドブック 2023年改訂版」(ヤマハミュージックエンターテインメントホールディングス刊)などがある。有限会社FOMIS代表取締役、一般社団法人日本シンセサイザープロフェッショナルアーツ(JSPA)正会員、MIDI検定指導研究会会員。