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宅録ギタリストのための使える「ギア」

UGM192 + BIAS FX 2編 vol.3

今日はいつもの仕事部屋から出てリビングでこのコラムを書いています。
当然、コンピューターもUGM192も一緒に移動しています。
最近流行りのコライトをするときなど、片方がメインのPCを使い、空いている方がサブを使って並行で作業を進めることもあるので、違う部屋でギターを入れたり、トップラインを考えるときなど同じスタジオや家の中で別空間で頭を切り替えて作業することができるので便利です。

前回からの続きで今回もクリーントーン。
1つ目は“クリスタルクリーン”と呼ばれる類のものを作ってみたいと思います。
Michael Landauに代表されるようなゴージャスなクリーンサウンドで80年代後半~90年代の音楽はこの音色で溢れかえっていたような気がします。
その音色はいまだに根強い人気があり、日々研究されているギタリストも多く、流派というか、音色の方向性にも多様さが見られます。時期によって音色にも変化があるので“クリスタルクリーン”という音色に関しては、聞いた作品や年代によって多少の差があるかもしれません。

参考動画:Ivan Lins- Love Dance

※ 動画検索サイトで検索すると上位に表示される比較的近年のMichael Landau氏のサウンドはまったく別の方向性ですね。
BIAS FX 2の輸入代理店であるメディアインテグレーションさんのウェブでギタリストの鈴木健治さんがクリスタルクリーンの音色を紹介されてますね(https://www.minet.jp/contents/article/bias-fx2-kenji-suzuki-interview/)。
百戦錬磨のギタリスト、さすがですね。

どんなシグナルチェイン?

前回のようにギター>エフェクトペダル1個>アンプといった方な簡単なシグナルチェインではありません。
当時は20U分くらいのラックを持ち運んでシステムを組むというような時代でした。
ディレイやリバーブ、モジュレーションが絡み合う複雑な音色だったと思います(あんまりちゃんと研究したことないけど)。
コンプレッサー>アンプ>モジュレーション(ここですでにステレオ)>ディレイとリバーブが並列?
くらいのライトな感じで作ってみましょう。
“American Dream”というプリセットがそれに近い音してますね。

今回はクリーンのみを作るので、歪み系のエフェクトは外します。
そして、アンプの前にコンプをかけ、アタックを潰し過ぎない程度のセッティングにします。

アンプ選び

本来はブティック系のアンプを使用していたと思いますがこのバージョンでは使えません。BIAS FX 2 Eliteになるといろいろ選べるようですけど、今はできる範囲でなるべく良い音を作りたいと思います。
シグナルチェインがデュアルになっているのでアンプを2台使用して音作りをしますが、片方はGret6156、もう片方は’67 Blackface V2にしました。Fender系を2種類並べると中域がちょっと弱くなったのでこの組み合わせにしています。
Gret6156だけアンプのトーンコントロールは動かしました。

モジュレーションやディレイ、リバーブで深みを与える

一言にモジュレーションといってもコーラスにだって色んな種類があります。
このサウンドが生まれた頃はソングバードというブランドのコーラスが多かったような気がします。
他には、80年代によく使われたピッチシフターのピッチの値は0のまま微調整のディチューンのみを変化させてコーラスを生み出すようなことも良くありました。
今回はコーラスを2段掛けです。

手前のCLONERではDepthを深くしてRateをゆっくりに設定しています。
後続のSTEREO CHORUSは、前段よりも深めにかけています。
それに続いてディレイをそれぞれ1/4と1/8dotにし、最終的に長めのリバーブを薄くかけて出力しています。
モジュレーションの2段掛けは音に奥行きを作りますね。
こんな感じのシグナルチェインです。

移ってないけど最終段にリバーブがかかっていますが、これがさらに深みを与えてます。

けっこうテールの長い音色なので、テンポのゆっくりした曲に使うと良いでしょう。

これだけ大掛かりな音を手のひらに乗るオーディオインターフェイスを使ってすぐに作ることができます。
しかも、今回使用したアンプシミュレーター“BIAS FX 2”も付属しています。
私はUGM192をセカンドセットとして使っていて、メインのコンピューターが使えないときの作業に役立ってますし、持ち歩きもしてます。

UGM192のコラムなのに音作りについてばかり書いちゃいました。
次回はUGM192の良さを伝えつつBIAS FX 2の紹介をしようと思ってます。

福地 智也

Jimmy Nolen、Nile Rodgers等に影響を受け、 Blues, Soul, Funkをこよなく愛す。ギタープレーヤーとして杏里、倖田來未、片瀬那奈、さんみゅ~、楠田亜衣奈等のレコーディング、佐藤康恵のライブに参加、同サポートバンドでは、バンドマスターを務める。ギター 演奏、音楽制作のみならず、楽器、DAWのセミナー、デモンストレーションでは、難しい用語を使わずに、誰にでもわかりやすい内容が評価を受けてい る。 https://www.dopewire.net/