Rob Papen氏本人が解説したSubBoomBassでワブルベースサウンドを作成する方法が話題になっています。
かなり判りやすい内容ですっきりまとめられていますが、せっかくなので日本語で解説してみようと思います。
まずビデオの中で何が行われているか?というと、「ベースのサウンドにフィルターLFOを掛けて、ピッチベンド信号でLFOのスピードをコントロールしている」ということになります。
さっそく真似してみたいと思います。
ワブルベースサウンドを作成
1. ピッチベンドを解除する
SubBoomBassはピッチベンドのベンド幅を上下個別に設定できます。1オクターブまでは半音刻み、それ以降は2、3、4オクターブの設定が可能です。
今回はピッチベンドでLFOのスピードをコントロールするので、ピッチベンドを無効にします。
2. ピッチベンドにフィルターLFOスピードを割り当てる
・FREE MODSを表示し、MOD MATRIXのSOURCEでPBendを選択します
(画像赤枠)
・直下のDESTでF.LFO Spを選択します(画像青枠)
・AMOUNTを適度に設定します(画像青枠)
AMOUNTはソースで割り当てたコントロールを操作したときにDESTがどのくらい動作するかを決めます。右に振り切った場合効果が最大になり、逆に左に回していった場合、コントロールの向きが逆になります(ピッチベンドをアップしたときにダウンの動きをする)。
3. フィルターLFOを設定する
ピッチベンドでフィルターLFOを操作する設定は終わっているので、あとはどのように動作するかをFILTER側で設定します。
テンポに同期させるためにLFO SYNCを有効にし(画像赤枠)、ノートを入力するたびにLFOが新たにスタートさせるためにLFO MODEをMonoに設定(画像青枠)。ワブルベースらしい動きを出すためにWAVE FORMをTriに設定(Triangle、画像黄枠)し、LFOスピードを1/8Tに設定(画像緑枠)しています。
最後にFILTER LFOでフィルターノブを操作(画像紫枠)してLFOにどれだけフィルターを受け渡すかを設定します。
※ 12時方向に設定した場合FILTER LFOは適用されません
これだけの手順で動画のワブルベースが再現できました。ピッチベンドをアップするとスピードが速く、ダウンすると遅くなります。いろんなオシレータやフィルタ・タイプでピッチベンドをグリグリと動かしてみるとおもしろいと思います。
さて、せっかくここまでやってみたのでもう少し遊んでみたいと思います。
今回はビデオの解説の通り行ってみたのでピッチベンドを解除していますが、仮にピッチベンドを割り当てていたらどうなるでしょう?
ピッチベンドを割り当てた場合
ダウンを1オクターブ、アップを4オクターブに設定してみました。すると、ピッチダウン時はピッチがさがりながらスピードも遅く、アップ時はピッチがあがりながらLFOスピードも速くなっていきます。まるでターンテーブルですね。
サンプルはオシレータ1のウェーブフォームをRez2、オシレータ2のウェーブフォームをSqrRwzに設定し、オシレータ2をFM設定にして使用しています。SubBoomBassのエフェクトからディストーションを掛けてもう少し汚してみるとピッチダウン時に悪そうな音を出すようになりました。
ピッチベンドの動きでサウンドがどのように変化しているかが伝わりましたか?
もちろん今回解説した行程の2番目のSOURCEをモジュレーション・ホイールや他のMIDI CCに割り当てることも可能なので、いろいろ試してみるとおもしろいと思いますよ!