今回がパーカッシブなエスニック系の音色の作成方法とアルペジエーターの設定のまとめとなります。
最後にアルペジエーターとエフェクトの設定について解説したいと思います。
<デモサウンド>
今回の音色はアルペジエーター機能をStepモードで使用してシーケンスを演奏させています。フレーズは7/8拍子、1小節のループフレーズで、実用音域内でオクターブを上下してフレーズが聴き比べられるようにしました。
また、より演奏感がわかるように、フレーズに合わせてSpireのファクトリーバンク8番のドラム音色のプリセットにあるキック、スネア、ハイハットを組み合わせてドラムループのトラックを併せて作成しています。
アルペジエーターの設定
アルペジエーターはコードの分散和音ではなく、エスニック的なフレーズ感を出すためにStepモードで使用し、各ステップで演奏させるピッチを指定しています。
また、4/4拍子だと一般的なポップ系の雰囲気になってしまうので、7/8拍子のビートに合うように設定してイレギュラーなビート感を表現しました。フレーズ自体は16分音符単位で設定していますので、Endステップ値を14に設定し、1小節の長さでループするようになっています。
現状ではtimeで1/16で設定しているので16分音符単位のフレージングになりますが、設定を1/8にすると同じテンポであれば倍の速度になるので、2小節で1サイクルとなります。このようにtimeの設定次第では同じフレーズでもテンポ感を変えることができます。
また、アルペジエーターのベロシティ設定をStepにすると画面上で設定したベロシティ値でフレーズの演奏ができるため、ベロシティ値=0にすることでフレーズにおける休符的な表現を行なっています。
エフェクトの設定
エフェクトはコーラス、ディレイを図のような設定で空間処理を行ない、
x-compとEQで最終的な出音調整を行なっています。
ポイントとしては、x-compでアタック感を強調していますが、
前回解説したENV 3のディケイの設定によってはあまり効果が感じられない場合があります。コンプをかけてもアタック感がしっくりこない場合は今一度ENV 3の調整をオススメします。
EQはLowとMidのみを図のように調整していますが、
これは中低域をファットな質感に仕上げるためです。Highの設定は特に行なっていませんが、オケに混ざった段階でヌケが悪いようであれば、調整してみると良いでしょう。
<音色データ>
今回作成してるサウンドのプリセット・データ(音色データ)です。
以下のリンクをクリックしてダウンロードされる「EthnicTunedPercussion01.spf_.zip」ファイルを解凍後、現れた「Ethnic Tuned Percussion 01.spf」ファイルを、SpireのLoad Presetから読み込みます。