前回までに作成した音色に引き続き、「アルペジエーター機能を活かした音色作り」をテーマに進めていきたいと思います。
今回からはパーカッシブなエスニック系の音色の作成方法とアルペジエーターの設定について紹介していきましょう。
<デモサウンド>
今回の音色はアルペジエーター機能をStepモードで使用してシーケンスを演奏させています。フレーズは7/8拍子、1小節のループフレーズで、実用音域内でオクターブを上下してフレーズが聴き比べられるようにしました。
また、より演奏感がわかるように、フレーズに合わせてSpireのファクトリーバンク8番のドラム音色のプリセットにあるキック、スネア、ハイハットを組み合わせてドラムループのトラックを併せて作成しています。
オシレータ設定について
多くの場合、エスニック系の音色は総じて不協和で音程感が希薄な音色をイメージすると思いますが、こういったサウンドを作る場合にはFMシンセシスが最適です。SpireにはオシレータモードにFMモードがありますので、これを基本的に活用して核となるサウンドを作ると良いでしょう。
ここでは4つのオシレータを使用し、1から3まではFMモードで、4はクラシックモードでウェーブテーブル波形のサイン波のみになるように設定しています。特にユニゾン機能などは使用せず、図の部分の設定のみで基本的な音色作りを行なっています。
オシレータ2と3は図のようにあえて不協和な音程感になるような数値に設定して核となる部分を作成しました。これに打楽器の胴鳴りのようなファットな質感を加えるのにオシレータ4を加えています。ここでは最初クラシックモードのノコギリ波で作り進めていましたが、質感が合わず、ウェーブテーブル波形を混ぜたりなど調整していた結果として単なるサイン波に行きつきました。FMモードにしてサイン波の状態にしてもほとんど同じ質感になりますので、オシレータ4をFMモードで使うのもアリです。
このようにサイン波を足してみると全体のサウンドにそれほど影響なくファットな質感を付加できるので、他の音色を作成した際にも応用できるテクとして覚えておくと良いでしょう。また、オシレータのミックスバランスも図のように現状では設定していますが、シチュエーションに応じてお好みでバランスを変更してみてください。
<音色データ>
今回作成してるサウンドのプリセット・データ(音色データ)です。
以下のリンクをクリックしてダウンロードされる「EthnicTunedPercussion01.spf_.zip」ファイルを解凍後、現れた「Ethnic Tuned Percussion 01.spf」ファイルを、SpireのLoad Presetから読み込みます。