前回に引き続き、アルペジエーター機能を使用した音色作成の解説を進めていきましょう。
今回はフィルターセクション周りの設定について解説したいと思います。
<デモサウンド>
今回作成した音色のデモサウンドです。最初の4小節は単音、後半の4小節は
最初に押さえていたノートの上で和音を押さえた状態のフレーズとなっています。
フィルターセクションの設定
まず、オシレータからの出力は以下のようにアサインしています。
フィルターセクションの設定状態。尚、01aはオシレータ1、01bはオシレータ2、01cはオシレータ3の設定状態で、黄色の枠線で囲んだ部分がフィルターインプット部分となる。
- オシレータ1 → フィルターインプット:1
- オシレータ2 → フィルターインプット:2
- オシレータ3 → フィルターインプット:センター
これによって、オシレータ1はフィルター1の音色変化、オシレータ2はフィルター2の音色変化となり、疑似的に異なる音色のような聴こえ方になります。
オシレータ3についてはフィルター1の方に寄せても良いのですが、ここでは思いつきで両方のフィルターに信号を送っています。
設定のポイントは、フィルター2の設定です。フィルターモードをcomboモードにしていますが、サウンド的にフィルター効果というより、オシレータシンクのようなアクの強いサウンドが出せるのが特徴的で、改造TB-303モデルのようなサウンドを出すのに向いていることから、シンセベース音色作りに使用しました。ちなみにSpireのフィルターは、AcidoモードがTB-303のシミュレートに適したモードになっているので、それ風のシンセベース音色を作成する際には試してみると良いでしょう。
減衰音色のEG設定のコツ
今回のような音色の場合、EGの設定は非常にシンプルで、DecayとReleaseの設定を調整すれば良いのですが、曲のテンポや雰囲気に合った減衰加減を調整する時は実際にフレーズを鳴らした状態で調整するとイイ感じに仕上げやすくなります。
方法としては、演奏させるフレーズをDAW上に打ち込んでループ再生させたり、シンセ本体のアルペジエーターなどを走らせたまま調整するだけです。非常にシンプルな工程ですが、実際の演奏でどのように聴こえるかが確認できるため、より実践的なサウンドに仕上がります。
次回はアルペジエーターの設定を中心に音色作りのポイントをまとめてみたいと思います。
<音色データ>
今回作成してるサウンドのプリセット・データ(音色データ)です。
以下のリンクをクリックしてダウンロードされる「Pluck_and_Bass.spf_.zip」ファイルを解凍後、現れた「Pluck and Bass.spf」ファイルを、SpireのLoad Presetから読み込みます。
- Pluck and Bass(約1KB)
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