シンセパッドの音色作り、引き続きこだわってみたいと思います。
今回はフィルター設定を今一歩突っ込んで活用してみましょう。
<デモサウンド>
今回作成したパッド音色のデモサウンドです。作成した音色は、
幅広い音域において単音でも和音でも演奏して使える音色を意図して
調整していますので、色々なアプローチができるでしょう。
Spireのフィルター設定について
Spireに装備されている2基のフィルターは、フィルター 1からフィルター 2と直列で使用するシリアルモードと、各フィルターを並列で使用できるパラレルモードがあります。フィルターによる波形の音色調整(または倍音調整)を緻密に行ないたい場合にはシリアルで、2種類の異なる音色変化を得たい場合にはパラレルで使用するのが良いでしょう。ちなみにSpireには音色を重ねて使用するレイヤーモードのような設定はありません。それを解決するための一つの方法には、フィルターをパラレルで使用することによって、疑似的に異なる2音色をレイヤーしたようなサウンドを得る、という方法があります。
今回作成している音色においては、オシレータ1、2、4はフィルター 1の設定、オシレータ3はフィルター 2の設定で変化するように振り分けていますが、これは前述で紹介している疑似的に2音色を重ねたような音色にするためです。
上から順にそれぞれ「オシレータ1」「オシレータ2」「オシレータ3」「オシレータ4」。黄色い枠線で囲んだ部分が各フィルターへ送信される出力量のバランスを設定する部分となり、左右に回し切ることでいずれかのフィルターのみへの出力となる。
エンベロープジェネレータの設定
異なるフィルター変化を作成する上では、エンベロープジェネレータやLFOによる変調がポイントとなりますが、ここではフィルター1のカットオフをENV 3(デフォルトの設定と同じ)、フィルター2のカットオフをENV 2で音色変化を設定しています。
尚、フィルター2ではハイパスフィルターを使用していますが、ハイパスフィルターやバンドパスフィルターなどを使用する場合、当然ながらローパスフィルターの場合と同じエンベロープジェネレータの設定にしていても、音色変化の聴こえ方が異なります。場合によってはamtノブでエンベロープジェネレータのかかり方を逆向き(=負方向)に設定してみると面白い効果が得られます。ここではENV 2でamtを負方向で設定しています。
<音色データ>
今回作成してるサウンドのプリセット・データ(音色データ)です。
以下のリンクをクリックしてダウンロードされる「MotionPad.spf_.zip」ファイルを解凍後、現れた「Motion Pad.spf」ファイルを、SpireのLoad Presetから読み込みます。
- Motion Pad(約1KB)