Spireでゼロからのサウンドメイク vol.12

Spireでゼロからのサウンドメイク vol.12

パイプオルガンのサウンドメイクの締めくくりはフィルター、エフェクト設定などについて解説したいと思います。

<デモサウンド>

今回作成したパイプオルガン音色を使用したフレーズ例です。
リバーブやディレイは本体内蔵エフェクトのみ使用しています。

フィルター設定のポイント

今回は2個のフィルターをシリアル接続状態で使用しています。それぞれのフィルター設定は、フィルター1をローパスフィルター、フィルター2をシェイパーを割り当てています。

フィルターセクションの設定状態

フィルターバランスは、フィルター1の方に比重を大きくし、シェイパーによる調整は隠し味的に使用しているのがポイントです。シェイパーの方の比重を大きくすると、少しワイルドすぎるサウンドになりますが、使用するシチュエーションによっては、少しシェイパーによるサウンドを強めても良いでしょう。

エフェクト設定のポイント

パイプオルガンには空間系エフェクトが最適ですので、セオリー通りリバーブを使用し、割と深めにタップリと残響を足しています。

リバーブの設定状態

また、ディレイを併用して少し立体的なサウンドに仕上がるようにしてみました。

ディレイの設定状態

尚、パイプオルガン本体の様々な大きさのバリエーションを表現したい場合には、エフェクトをリバーブのみにして、リバーブタイムやエフェクトバランスなどを変更してみると良いでしょう。

ベロシティ設定について

オルガン系の音色ですので、強弱でダイナミクスを表現するよりはエクスプレッションなどによる音量変化の方が適しているのですが、あえて今回はベロシティをメインボリュームとフィルターカットオフに設定しています。

ベロシティの設定状態

これは中音域で和音を押さえ、高音域でメロディなどのフレーズを演奏する場合、和音のボリュームが大きくなりすぎて、高音域で演奏しているフレーズが埋もれてしまうためです。そういった演奏バランスを考慮し、ベロシティで音量をコントロールすることによって和音とフレーズとのバランスを取りやすくしています。カットオフにも設定しているのは、音量が小さくなると共に音色的にも丸い音質になるようにするのを目的としています。

<音色データ>

今回作成してるサウンドのプリセット・データ(音色データ)です。
以下のリンクをクリックしてダウンロードされる「CathedralOrg.spf.zip」ファイルを解凍後、現れた「Cathedral Org.spf」ファイルを、SpireのLoad Presetから読み込みます。


Reveal Sound SPIRE

Spire

ポリフォニック・シンセサイザー

内藤朗

キーボーディスト、シンセサイザープログラマー、サウンドクリエーターなど様々な側面を持ち、作編曲からレコーディング制作、ライブ演奏など多方面で活動中。S.E.N.Sのレコーディングサポート、安部OHJIの様々なプロジェクトでのレコーディング、ライブなどに参加の他、バンド「島へ行くボート」で活動中。黎明期からMIDIやDTMとの関わりは長く、音楽制作系のライターとしても広く知られており、近著に「音楽・動画・ゲームに活用! ソフトシンセ 音作り大全」(技術評論社刊)などがある。有限会社FOMIS代表取締役、一般社団法人日本シンセサイザープロフェッショナルアーツ(JSPA)正会員、MIDI検定指導研究会会員。