Spireでゼロからのサウンドメイク vol.41

Spireでゼロからのサウンドメイク vol.41

シンセドラムの各音色を作成するポイントの2回目はスネアを作ってみましょう。

今回作成した音色の設定を表示した全体像。

<デモサウンド>

今回はキック、スネア、ハイハットを作成してドラムキットを組み、
Spireのシンセベースと共にリズムトラックを作成しています。

ちなみにミックスの際に使用したリバーブはFabFilterのPro-Rです。
エフェクトのセンドリターン用トラックを作成し、各ドラムキットに適宜かけています。

スネアの音色のポイント

スネアドラムらしさを出すためには本体の胴鳴り的な音とスナッピー(響き線)によって生じる音という2つの要素が必要になりますので、2基のオシレータで全体像を作ることになります。

それ以外の点では基本的に減衰音型のエンベロープをアンプ、フィルターで加減を確かめつつ、調整すればオーケーです。また、前回のキック同様、マスターアウトのX-COMPも使用して、音圧感調整を行なうとよりスネアらしいサウンドに仕立てることができます。

マスターアウトのX-COMPの設定状態。

オシレータの設定

今回は3基のオシレータを使用します。オシレータの1と3をノイズモードに設定し、スナッピー的な響き音部分を、オシレータ2でサイン波を出力して胴鳴り部分の音をそれぞれ作成して、ミキサーセクションでボリュームバランスを調整しています。

各オシレータセクションの設定状態。上からそれぞれオシレータ1、オシレータ2、オシレータ3となっている。

ちなみになぜノイズモードがオシレータ1と3なのかというと、最初オシレータ1と2でおおよその音色を作成し、その後の追加成分としてオシレータ3を使用して作成したものを加えたためです。

スネアに限らず音色を作成する場合のセオリーとして、まずはおおよその形をまず作成し、足りない部分を足していくと目的とする音色にたどり着きやすいでしょう。

フィルターの設定

スネアの場合もフィルターは2種類使用しています。オシレータ1、2をフィルター1、オシレータ3をフィルター2で加工しています。

フィルターセクションの設定状態。

スナッピーらしさを出す場合、レゾナンスを上げ過ぎるとシンセドラムのようなエフェクティブな音になりやすいので、リアル系のスネアにしたい場合には、控えめに設定すると良いでしょう。スネア音色設定のポイントはカットオフの設定とフィルターに対するEGのディケイの長さでサウンドが決まってきます。この2つのパラメータはセットで調整することをオススメします。

上からそれぞれENV3、ENV4の設定となる。前回のキック同様、カットオフそれぞれに対するベロシティセンス値の設定もここで行なっている。

その他の設定のポイント

スネア音色は前述のフィルターカットオフの設定でサウンドバリエーションが出せる他にも今回のオシレータ2のように胴鳴り部分のオクターブレンジを変えてピッコロスネアや深胴タイプのようにするなど、オリジナリティが出しやすい音色でもあります。

ぜひ色々な設定を試してみてください。また、PCM系のスネア音色にアナログシンセで作成したスネアを混ぜてみるのもオススメですので、併せて試してみてほしいと思います。

<音色データ>

今回作成してるサウンドのプリセット・データ(音色データ)です。
以下のリンクをクリックしてダウンロードされる「Analog_Snare.spf_.zip」ファイルを解凍後、現れた「Analog Snare.spf」ファイルを、SpireのLoad Presetから読み込みます。

Spire

ポリフォニック・シンセサイザー

内藤朗

キーボーディスト、シンセサイザープログラマー、サウンドクリエーターなど様々な側面を持ち、作編曲からレコーディング制作、ライブ演奏など多方面で活動中。S.E.N.Sのレコーディングサポート、安部OHJIの様々なプロジェクトでのレコーディング、ライブなどに参加の他、バンド「島へ行くボート」で活動中。黎明期からMIDIやDTMとの関わりは長く、音楽制作系のライターとしても広く知られており、近著に「音楽・動画・ゲームに活用! ソフトシンセ 音作り大全」(技術評論社刊)などがある。有限会社FOMIS代表取締役、一般社団法人日本シンセサイザープロフェッショナルアーツ(JSPA)正会員、MIDI検定指導研究会会員。