さて、今回は1からシンセドラムの各音色を3回に渡って紹介していきましょう。
既製のシンセドラム音色が曲のイメージに合わない時などの他、既にあるドラムキットへのチョイ足し成分としてレイヤーする場合など覚えていくと色々と応用できると思います。
まずはキックから作ってみましょう。
<デモサウンド>
今回はキック、スネア、ハイハットを作成してドラムキットを組み、
Spireのシンセベースと共にリズムトラックを作成しています。
ちなみにミックスの際に使用したリバーブはFabFilterのPro-Rです。
エフェクトのセンドリターン用トラックを作成し、各ドラムキットに適宜かけています。
キックの音色のポイント
1970年代頃のリズムボックスにおいてキックの音色は、サイン波を減衰音型のエンベロープ変調して作成されているものが多く見受けられるように、Spireにおいてもサイン波を使用して同様にエンベロープを設定すればおおよその音色は作成できます。
この設定をベースにSpireならではの4オシレータを活かし、よりキックらしさを加えていきます。
オシレータの設定
4基のオシレータの1と4はキック音色のボディとなる基本部分、2と3でアタック成分を作成してミックスしています。
設定のポイントは、基本部分となるオシレータ4のオクターブをオシレータ1より更に1オクターブ下げていることです。低いピッチのサイン波なのでパッと聴いた感じの違いはわかり辛いかもしれませんが、これによってサブベース的な重低音を加える役割をしています。また、オシレータ2と3を使用したアタック部分は、アタック感を表現するのにFM変調が適していますので、HardFMモードに設定しています。
フィルターの設定
今回の音色はオシレータ1、2、4をフィルター1、オシレータ3のみフィルター2で加工しています。
フィルターを変えることで同じローパスフィルターを使用しても音色変化のニュアンスが異なるため、同じような波形をフィルタリングしても違うサウンドが得られるなどのメリットがあります。それぞれのフィルターカットオフにはENV 3をカットオフ1、ENV 4をカットオフ2で変調していますが、それぞれのアタックとディケイを異なる設定し、より良いアタック感を得られるように調整しています。
その他の設定のポイント
その他設定のポイントとしては、ベロシティ感度の設定も重要です。リズム楽器ですので、強弱変化による音色変化は設定しておいた方がドラムトラックを打ち込む際に便利です。今回はマスターボリュームとカットオフ1と2を最高感度に設定していますが、この辺は用途によって適宜調整すると良いでしょう。
この他、マスターアウトのX-COMPも使用して、音圧感を増していますが、これについてもお好みで調整してみてください。
<音色データ>
今回作成してるサウンドのプリセット・データ(音色データ)です。
以下のリンクをクリックしてダウンロードされる「AnalogKick.spf_.zip」ファイルを解凍後、現れた「Analog Kick.spf」ファイルを、SpireのLoad Presetから読み込みます。
- Analog Kick(約1KB)