AM変調を使用したシンセパッド音色の作成ポイントについては今回で一区切りとなります。
最後にエフェクト設定や、使用する際のチョイ足しエディットのポイントなどを紹介しましょう。
<デモサウンド>
今回作成したシンセパッドの使用例。演奏の開始時のフェードインと最後のフェードアウトはMIDI Learn機能を使用し、マスターボリュームをコントロールしています。
空間系エフェクトを加えて奥行きや広がりを調整する
シンセパッドは音色自体の作り込みだけでなく、エフェクトによるサウンドメイクがポイントとなります。元々音色の性質上コーラスやディレイ、リバーブなどの空間系エフェクトとは相性が良いだけでなく、サウンドの世界観を表現する上でも重要な役割を持っています。今回の空間演出はディレイとリバーブを使用しています。
設定を見てもらうとわかるように、どちらのエフェクトも深めの調整を行い、ドライとウェットのバランスでエフェクト音を気持ち控えめに設定しています。この状態だと、速いテンポの曲やフレーズを演奏させると音同士がぶつかり合ってしまい、サウンドが濁るなど良い効果は得られませんが、パート数の少ない曲やテンポが遅く、白玉コードの演奏などのように用途が限定されている場合には、ガッチリとエフェクトをかけても良いでしょう。また、コーラスエフェクトは使用していませんが、これはユニゾンモードで既に十分にコーラス感を作っているためです。ユニゾンのボイス数が少ないなど、デチューン感がそれほど深くない場合には、コーラスも併用するのもアリです。
オシレータバランスの調整
音色全体の雰囲気は、各オシレータのボリュームレベルのバランスで調整します。
特にオシレータ2と3のバランスを調整することで、高域の雰囲気が変わります。また、必要に応じて任意のオシレータ以外をオフ(=ボリューム値:0)にして、1つのオシレータによるサウンドを使用するのも良いでしょう。更にオシレータはまだ1基未使用のものがありますので、オシレータ設定をコピー&ペーストしてみるなど、色々なチョイ足しが考えられます。
ぜひ色々設定を変えて、プリセットデータのサウンドエディットを楽しんでみてください。
<音色データ>
今回作成してるサウンドのプリセット・データ(音色データ)です。
以下のリンクをクリックしてダウンロードされる「celestial_divine_pad.zip」ファイルを解凍後、現れた「celestial divine pad 20190501.spf」ファイルを、SpireのLoad Presetから読み込みます。
- celestial divine pad(約1,100byte)
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