フレーズに合わせ込む音色エディット(その1)
シーケンスフレーズをDAWのトラックに打ち込む場合だけでなく、内蔵アルペジエーターなどで演奏する際には、選んだ音色をそのまま使用すると曲調に合わない場合も多々あります。
その際には自分で作成した音色、プリセット音色に関わらずエディットを行ない合わせ込んでいくことが必要になりますが、今回は作成したアルペジオのフレーズにシンセリード音色を合わせ込むポイントなどについて解説したいと思います。
今回作成したシンセリード音色使用し、内蔵アルペジエーターでフレーズを演奏させたデモです。
4拍子ながら変拍子的なフレーズのため、Spireのドラム音色を使用してドラムパターンを加えています。5~8小節の範囲は2音で演奏しており、増4度の平行移動フレーズになっています。
内蔵エフェクトを活用した音色エディット
今回はエフェクトを積極的に活用して音色作りを行なってみました。
シンセの音色作りにおいては、まずエフェクトは全てオフ、あるいはバイパスで元となる音色を固めてから追加していくというのが、定番のセオリーとなっています。しかしながら、今日の多くのシンセには多数のエフェクトが内蔵されており、それらも積極的に音色作りに使用することも場合によってはアリでしょう。
音色作りの手順としては、基本となる波形はオシレータセクションで最初に設定し、フィルターやEGなどを設定していくのですが、おおよその形ができた後は、エフェクトを含めて各セクションを行き来しながら仕上げています。
オシレータ設定のポイント
シンセリード音色に限ったことではありませんが、作り始める前にどんなテイストの音色が作りたいのかをある程度決めておくと、ただやみくもにパラメータを動かしながら作るよりも作りやすいでしょう。
そこでこの音色を作るにあたっては、PWM波的な波形変化とエッジの効いた歪系のサウンドを持ったリード音色を作ろうと決めてエディットを始めています。
実際の設定としては、オシレータ1、2でPWM波風の波形、オシレータ3はHard FMを使用したFM変調が深めに設定し、ピアノの低音弦を硬く歪ませたような波形にしています。
オシレータ1と2の波形は基本の形は同しですが、LFOによるパルス幅変調の設定を変えているのがポイントです。LFOのレートやかかり具合の深さを異なる設定にすることによって、デチューン効果を得ることができます。