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Spire Topics & Tips – vol.22

Pluck系音色作成のポイント(その3)

Pluck系音色作成のポイントのまとめとして、今回はエフェクトの設定とその他の設定などについて解説したいと思います。

今回作成した音色の設定

今回の音色の参考例となるデモサウンドです。ハープ系の音色なので、グリッサンドなどを頭と終わりに入れてみました。

エフェクトの設定

エフェクトはフェイザー、ディレイ、リバーブをそれぞれ図のように設定しています。

図9
図10
図11

図9、10、11:エフェクトの設定状態。それぞれ9:フェイザー、10:ディレイ、11:リバーブとなっている。

主に空間系のエフェクトを使用して広がりを調整していますが、コーラスではなくフェイザーを使用しているのがポイントです。
空間的な広がりはコーラスの方がフェイザーよりも良いのですが、音色変化にスパイスが欲しかったため、スウィープ効果を加えられるフェイザーを選んでいます。
ちなみにフランジャーでも同じような効果は得られますが、フェイザーの方がサウンド的にはソフトな感じになるので、適度にスウィープ感が欲しい場合には使っていると良いでしょう。

その他、音色設定のポイント

最後になりますが、ミキサーセクションの設定について補足しましょう。
ミキサーセクションでオシレータのオンオフを切り替えることによってサウンドのバリエーションを得られます。
オシレータ1と2をオフにするとオーソドックスなハープ系音色、逆にオシレータ3をオフにするとS&Hでランダムにピッチが変化するエフェクティブな音色のサウンドのみとなります。
それぞれのサウンドだけ使用したい場合には、プリセットデータを元に試してみると良いでしょう。

図12:ミキサーセクションの設定状態。各オシレータのオンオフとボリュームバランスの調整だけでもバリエーションが得られる。

今回作成した音色設定の詳細は、デモサウンドと共にSpireユーザーの方は音色のプリセットデータ(ファイル名:“Magical Harp 01.spf2”)をチェックしてみてください。

↑ からダウンロードされる「Magical_Harp_01.spf2_.zip」ファイルを解凍後、現れた「Magical Harp 01.spf2」ファイルを、SpireのPreset Managerの「Import」から読み込みます。

内藤朗

キーボーディスト、シンセサイザープログラマー、サウンドクリエーターなど様々な側面を持ち、S.E.N.Sのレコーディングサポート、安部OHJIの様々なプロジェクトでのレコーディング、ライブなどに関わるなど、作編曲からレコーディング制作、ライブ演奏など多方面で活動中。MIDIやDTM関連の分野では黎明期から今日に至るまで長きに渡り関わっており、多様な経歴を持つ。また、音楽制作系のライターとしても広く知られ、近著に「音楽・動画・ゲームに活用! ソフトシンセ 音作り大全」(技術評論社刊)、共著「ミュージッククリエイターハンドブック 2023年改訂版」(ヤマハミュージックエンターテインメントホールディングス刊)などがある。有限会社FOMIS代表取締役、一般社団法人日本シンセサイザープロフェッショナルアーツ(JSPA)正会員、MIDI検定指導研究会会員。