マトリックス機能による変調を音色作りに活かす(その3)
マトリックス機能を積極的に活用した音色作りについて紹介してきましたが、今回の音色設定のまとめとしてLFOとエフェクトの設定を中心に紹介しましょう。
LFOの設定
今回はこのような設定でLFO1と2を使用しました。

LFO1と2の設定状態。
LFO1については、前回のマトリックス機能の設定のところで触れた通りですので、ここではLFO2をどのように使用しているかに着目してみましょう。
LFO2の変調先はLFO1のRateが設定されていますが、これはスロット1の深さを変化させているLFO1の周期速度を更に一定周期で変化させようという意図によるものです。
2つの周期が絡まり合うことで、オシレータ1と2を使用して作成される波形の状態が、より複雑な変化を続けることができるワケです。このようにマトリックス機能のソースに対して更にソースを設定することで、より複雑な変化をする音色となります。
このようにマトリックス機能の複数スロットにまたがる変調の設定は、より複雑なサウンドメイクができますが、設定によってはパラメータ的には設定できたとしても、音色変化の効果がわかり辛いことなどもあります。これについてはトライ&エラーを繰り返しつつ、設定をブラッシュアップすると良いでしょう。
エフェクト設定について
エフェクトについては、3つの空間系エフェクト(コーラス、ディレイ、リバーブ)を使用しています。



図14、15、16:エフェクトセクションの設定状態。それぞれ14:コーラス、15:ディレイ、16:リバーブとなっている。
ディレイ、リバーブは主に残響と空間的な広がり感の調整に使用し、コーラスは厚みを持たせるために使用しています。
また、コーラスはオシレータ1と2による変調によって生じる音揺れをコーラスエフェクトによる音揺れを加えることで不自然さを軽減しているのも地味ながらポイントとなっています。
なお、今回作成した音色の設定に関する詳細については、デモサウンドと共にSpireユーザーの方は音色のプリセットデータをチェックして頂くと良いでしょう。
↑ 今回作成してるサウンドのプリセット・データ(音色データ)です。ダウンロードされる「Osc-Mod-Bell-1.spf2_.zip」ファイルを解凍後、現れた「Osc Mod Bell 1.spf2」ファイルを、SpireのPreset Managerの「Import」から読み込みます。