前回はシーンの作成方法をご紹介をしました。
今回は「オートメーションの適用」をご紹介します。
オートメーションとはなにかご存知でしょうか?日本語では「自動化」などと訳されると思います。
Serato Studioではイコライザーやフィルター、FXなどの各パラメーターの “動きを記録” し、再生中にその動きの再現を自動で行うことができます。これをオートメーションと呼んでいます。
オートメーションの適用
- オートメーションの表示
- オートメーションの記録
オートメーションの表示
まずはオートメーションの表示をしましょう。
シーンプレイヤーヘッダーの右側にかわいいロボットアイコンがあります。このアイコンをクリックして表示/非表示の切り替えができます。
自動化するのでロボットのアイコンなんだと思いますが、遊び心があっていいですね。
オートメーションをオンにすると、このように表示が切り替わります。
ドラムデッキとサンプルデッキは「デッキ全体に対して」もしくは「それぞれのパッドごと」にオートメーションを適用することが可能で、インストゥルメントデッキはデッキ全体にのみ適用可能です。
デッキ全体または各パッドを選択してオートメーションの適用先を切り替えます。
オートメーション表示に切り替えると適用可能な項目がプルダウンで選択できます。
オートメーションの記録
実際にオートメーションを記録してみましょう。
シーン [Intro] のメインサンプルだけが鳴っている状態の [Neo E Piano] にミキサーのフィルターのオートメーションを適用します。
サンプルデッキ全体にオートメーションを適用させたいので、プルダウンから [Filter (フィルター)] を選択し、適用先がサンプルデッキ全体になっていることを確認します。
2つの記録方法があります。
- マウスで入力
- リアルタイムで記録
マウスでの入力はクリックでの入力、またはクリックしたまま動かせば連続して入力することができます。
次はリアルタイムでオートメーションの記録をしてみましょう。
レコードボタンを押すと1小節のプリカウントのあと再生がスタートします。レコーディング再生中にツマミを動かしたり、FXのオン/オフを行うとオートメーションとして記録されます。
先ほどは “マウスでオートメーションを描いた” のに比べて、今回はレコーディング機能を使って “リアルタイムでフィルターノブの動きを記録した” という状態です。
今回は画面上のフィルターノブをマウスで操作しましたが、対応するハードウェアのコントローラーを使えば実際に指でノブを回して記録することが可能です。
オートメーションを記録するときはハードウェアのコントローラーがあった方が作業しやすいですね。
また、なめらかにオートメーションを記録したい際に気をつけた方がよいポイントとしては、グリッドを [ x2 ]にしておいた方がよいでしょう。ノブの動きを通常の2倍の情報で記録することができるのでフィルターのかかった音の変化がなだらかになります。
次に、同じくシーン [Intro] の4小節目の4拍目に鳴るスネアのみにリバーブをかけてみましょう。
ドラムデッキの [Snare] を選択した状態で、パッドFXの空いているスロットからプルダウンで [Delayed Reverb] を選択しました。
シーン [Intro] の4小節目の4拍目にだけリバーブをかけます。
ドラムデッキのオートメーションの適用先を [Snare] にして、追加したリバーブFXのオン/オフの切り替えを記録するために [FX 3 On] を選択します。
4小節目の4拍目にのみ [FX 3 On] が有効になるように変更します。
メインサンプルのフィルターとスネアのリバーブのオートメーションを適用したイントロを聴いてみましょう。
また、Vol.8で説明しているサードパーティーのプラグインに対してもオートメーションを適用させることが可能です。プラグインを挿した状態でオートメーションのプルダウンを表示させると、適用可能となるパラメーターが表示されます。
FabFilter Pro-Q3を挿してオートメーションのプルダウン表示をすると、様々なパラメーターがずらりとならび、オートメーションの対象となっています。(プラグインによって可能となるパラメーターは異なります。)
いかがでしょうか?
オートメーションを適用すると、ビートに対して効果的な変化を与えることができますね。
次回は「オーディオトラックの追加」をご紹介したいと思います。