第4回:B.I.T. 2
Rob Papenの各製品を使用したデモトラックによる製品の魅力を紹介する本連載ですが、今回はバージョン2がリリースされたB.I.T. 2をデモトラックと共に紹介しましょう。
B.I.T. 2の概要について
B.I.T. 2は前バージョンからGUIが大きく変わることがなく、既存ユーザーが操作性の点で戸惑うことはほとんどないと思います。また、内蔵プリセットは前バージョンからのプリセット音色の他、新規プリセットも収録されています。前バージョンのプリセット音色は、B.I.T. 2本体の性能アップによるリファインが施されているため、サウンドの質感は多少異なりますが、そのまま引き継がれています。
ちなみにB.I.T. 2と前バージョンとの変更点は以下のとおりです。
- アルペジオ機能が進化し、より複雑なフレージングが可能になった
- リボンコントローラーがGUIに追加された
- PLAY MODEに「LOCK PLAY」ボタンが追加された
- モジュレーション・マトリックスは8個から16個に倍増された
- 新規のオシレーター波形の種類やフィルタータイプなどの数が増えた
- MANAGER画面で“選択したプリセットをフェイバリットに保存”ボタンが追加された。など
デモトラックに使用したプリセット音色について
今回作成したデモトラックでは、気がつけば13台のB.I.T. 2を使用していました。これまで同様にプリセット音色は必要に応じてエフェクトやエンベロープなどを調整を行なっていますが、極力エディット無しで使用しています。今回も音源はB.I.T. 2のみで、エフェクトも本体内蔵エフェクトのみを使用しています。
デモトラック中で使用したプリセット名と曲中のパートは以下のとおりです。
Rumbot Bt JoMal
リズムループのプリセットです。下記の“4×4 Beat JoMal”と組み合わせてドラムトラックを作成しています。
4×4 Beat JoMal
4つ打ちキックを主体にしたリズムループのプリセットです。
Pink And SyncSeq
オシレーターシンクを使用したエッジの効いたソリッドなシンセベースです。ベーストラックにはこちらのプリセットを使用しました。
Flashpoint JoMal
シーケンスパターンが一緒にプリセットされたシーケンス用音色です。冒頭の部分から使用しています。
Ana Arpist JoMal
こちらもシーケンスパターンがプリセットされているシーケンス用音色ですが、前述の“Flashpoint JoMal”とフレーズが異なります。曲の冒頭部分から2つを同時使用することで和音の響き方が得られるので、コード感を出すことができます。
0分31秒位からの展開で使用しているシンセパッドは3種類の音色をレイヤーして作成しています。
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Juno Star Pad
- アナログシンセ風の柔らかめのパッド音色です。この音色をメインに下記2音色を使用してサウンドを補完しています。
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Thinner Hi-Phase
- 高域を活かしたストリングス的な音色のシンセパッドです。フェイザーによる音色変化がポイントとなっています。
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Mellow RainFlutes
- サイン波を使用したシンプルな音色で浮遊感のあるパッドです。中音域の厚みを加えています。
Arpendix JoMal
0分31秒位からの展開で使用しているシーケンス用音色です。
SY Soft Lead 03-Odd
冒頭からのメロディを演奏しているシンセリード音色です。リリースが長めなので、ピアノやビブラフォンやマリンバなどのクロマチックパーカッションのような演奏に適しています。
0分31秒位からのメロディを演奏している音色には以下の2音色をレイヤーして使用しています。
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SY FunkyTown-Odd
- アタック部分にピッチ変化が付加されたクセのあるトーンのシンセリード音色です。
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Ugly Ugly Lead 1
- モジュレーションが強くかかったシンセリード音色です。
Delerious
0分29秒付近の展開が変わる部分の演出で使用しているSE音色です。