PUNCH マルチアウト手順

PUNCH マルチアウト手順

今回はRob Papen(ロブパペン)社PUNCHのオーディオ・マルチアウト手順について解説します。ソフトウェア・ドラム音源は各社より発売されており、ドラム音源をご利用いただいている方にはオーディオ・マルチアウトという言葉は馴染み深いものかと思います。ドラム音源をはじめて使用される方にとっては、マルチアウト(個別出力)ってなんだろう、ソフトウェア・ドラム音源でスネア、キックなどを個別で出力することで何ができるの?という疑問が生まれるかと思います。そこでRob Papen社「PUNCH」を使用し、PUNCHのオーディオ・マルチアウトを例にマルチアウトのメリットについて解説します。


PUNCHにある2つのモード

まずはじめに、Rob Papen社「PUNCH」をはじめて知りましたという方は、以下の記事をご参照ください。

記事でも触れていますが、DAWソフトウェアで起動する場合、以下の2つのモードを選択することができます。

  • PUNCH(シングル・チャンネルモード)
  • PUNCH MULTI(マルチ・チャンネルモード)

この「シングル・チャンネルモードとマルチ・チャンネルモードの大きな違いは何?」と疑問に思う方もいると思うので、まずはふたつの違いを簡潔に説明します。

【シングル・チャンネルモード】
1つのOutput(アウトプット)でPUNCHの音声を出力させることができます。

【マルチ・チャンネルモード】
最大8つのOutput(アウトプット)を使用してPUNCHの音声を出力させることができます。

何となくイメージできましたか? まずPUNCHには2つのモードがあり、サウンドを個別出力させるためには、「PUNCH MULTIを起動すれば良い」と覚えていただいて問題ありません。

PUNCH MULTIの個別出力設定方法

「PUNCH MULTI」の起動完了後、以下の手順で個別出力設定の準備をします。

1. 以下画像の黄枠部分の「PADS」をクリックします。
2. 青枠部分の「DYN SELECT」のキック、スネアなどから任意のPADをクリックします。
3. 任意のPADをクリック/選択し、赤枠部分の「OUT」をクリックします。

PUNCHソフトウェア全画面.jpg

4. 上記赤枠部分をクリックすると、以下画像のメニューが表示されます。

PUNCHソフトウェア画面-出力先選択

赤枠部分のメニューは、以下の各出力先を表します。

  • Dry ・・・ Out 1+2
  • FX1 ・・・ Out 3+4
  • FX2 ・・・ Out 5+6
  • FX3 ・・・ Out 7+8
  • FX4 ・・・ Out 9+10
  • Stereo ・・・ 6 Out 11+12
  • Stereo ・・・ 7 Out 13+14
  • Stereo ・・・ 8 Out 15+16

なお、PUNCHにはキックやスネアのPAD以外にも、以下画像の青枠部分のようにSAMP (Sample) PADがあります。各SAMPのPADを個別出力させる場合、赤枠部分の「OUT」より出力先を変更します。

PUNCH-Sample PAD

手順4までの行程を進めることで、PUNCHでのマルチアウト設定が完了します。

マルチアウトのメリット

マルチアウト設定完了後、DAWソフトウェアを再生すると、以下画像の赤枠部分のようにPUNCHからのサウンドが個別出力されます。

PUNCH Mluti 画像

これでDAWソフトウェア内のミキサーで個別出力された音量の調整をすることが可能となりますが、実はPUNCHでは、上記画像のようなオーディオ・マルチアウトを活用せずに、各PADの音量調整やエフェクトを使用してドラムサウンド作成を完結させることもできてしまいます。

それなのに、なぜ今回オーディオ・マルチアウトについて触れたのかというと、PUNCHのオーディオ・マルチアウトを活用することで、DAWソフトウェアに予め搭載されている使い慣れたソフトウェア・ミキサーを使用できるというメリットがあるためです。使い慣れたソフトウェア・ミキサーの方が音量調整をしたり、お気に入りのエフェクトを使用したりとスムーズに制作が行えますね。

また、オーディオ・マルチアウトでは、任意の順番でエフェクトを読み込むことも可能です。DAWソフトウェアでミックスなどをされている方には馴染み深いと思いますが、エフェクトはインサートする順番によっても作成されるサウンドが異なってしまいますので、自由に順番を選べるということは制作の幅も広がり、とても便利な機能です。

例えば、ギタリストには馴染み深い、ワウペダルの前に歪み系のエフェクトを接続するか、歪み系の後にワウペダルを接続するかで異なるサウンドに仕上がるので、そちらを思い浮かべるとわかり易いかもしれません。

※ DAWソフトウェアでPUNCHの出力信号を受信するには、DAWソフトウェア側での設定が必要となります。こちらはDAWソフトウェアによって設定方法が異なりますので、お使いの各DAWソフトウェアサポート窓口へお問い合わせください

今回はオーディオ・マルチアウトの活用方法として、個別のトラックに出力されたサウンドにエフェクトをかけるという部分に焦点を当て解説しました。もちろんPUNCHはエフェクトをかける以外にもEQでの音質調整や、トラック・ボリュームのオートメーションなどを書き込むこともできますので、PUNCHを手に入れた方はぜひこれらの機能も試してみてください。


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