(2014/07/04)
Mixcraftの魅力をお伝えしている本連載。連載を一新してからは、マスタリングを取り上げています。
先週は趣向を変えて、サンプリングレートの説明を行いました。今週は、先週の続きとして、ビットレートを取り上げます。
サンプリングレートのおさらい
前回のおさらいを簡単に行うと、音には実際に耳で聴くことのできる「アナログ信号」と、コンピュータなどで取り扱うための「デジタル信号」があります。例えば、音のアナログ信号をコンピュータに取り込みを行う際、デジタル信号へ変換が行われますが、この際、アナログ信号の状態の数値化が行われています。この作業を「サンプリング」といい、1秒間に行うサンプリング回数を「サンプリングレート」として表しています。
ビットレートって?
音の波形の縦方向は、音量を表しています。波形が縦方向に小さければその時点の音量は小さく、縦方向に大きければ音量は大きいことになります。
音は空気を振動させているため、人間の耳で聴くことができます。この「空気の振動」の大小が、音量の大小につながりますが、「空気の振動」はアナログ信号です。音をコンピュータで取り扱うには、デジタル信号に変換する必要がありましたね。
デジタル信号とは、アナログ信号とは異なり連続しない信号です。そのため、音がアナログ信号からデジタル信号へ変更が行われた場合、音量レベルは段階ごとで区切られます。
例えば、音量レベルを区切る段階が少ない場合、音をアナログ信号からデジタル信号へ変換を行うと、以下のようになってしまいます。
元の波形の形から大幅に変わってしまっています。つまり、音をアナログ信号からデジタル信号に変換した際、アナログ信号の状態の音を再現できていないことになります。
この音量レベルを区切る段階を増やせば、元の波形に近い状態で再現できますね。
実際の音楽CDは音量レベルを何段階で区切っているかというと、65,536段階です。
ビットレートとは、アナログ信号からデジタル信号へ変換を行う際に、デジタル信号を何段階の数値で表現するかを示す値です。
65,536という数字ですが、65,536 = 2の16乗(2を16回かけること)と表すことができ、2の16乗を別の書き方にすると、2の16乗 = 16bitと表せます。
この16bitという数字、どこかで見たことがありませんか?
そうです、Mixcraftのサウンド・デバイス設定画面です。
この設定を確認すると、「今からMixcraftで作成する音楽は、1秒間に44,100回サンプリングを行い、音量レベルを16bit = 65,536段階に区切っている」ということが分かりますね。
サンプリングレートとビットレート、意識しないと通り過ぎてしまいがちな設定ですが、コンピュータで音楽を作るにあたっては避けては通れない設定ですので、この機会に覚えておいてください。
次回は、これらサンプリングレートやビットレートが、マスタリングにどのように関係するかをご紹介いたします。それでは!