【連載】Mixcraft 6で音と映像をミックス2 Vol.9!

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(2014/07/04)

Mixcraftの魅力をお伝えしている本連載。連載を一新してからは、マスタリングを取り上げています。

先週は趣向を変えて、サンプリングレートの説明を行いました。今週は、先週の続きとして、ビットレートを取り上げます。


サンプリングレートのおさらい

前回のおさらいを簡単に行うと、音には実際に耳で聴くことのできる「アナログ信号」と、コンピュータなどで取り扱うための「デジタル信号」があります。例えば、音のアナログ信号をコンピュータに取り込みを行う際、デジタル信号へ変換が行われますが、この際、アナログ信号の状態の数値化が行われています。この作業を「サンプリング」といい、1秒間に行うサンプリング回数を「サンプリングレート」として表しています。

サンプリングレート図解

ビットレートって?

音の波形の縦方向は、音量を表しています。波形が縦方向に小さければその時点の音量は小さく、縦方向に大きければ音量は大きいことになります。

波形図

音は空気を振動させているため、人間の耳で聴くことができます。この「空気の振動」の大小が、音量の大小につながりますが、「空気の振動」はアナログ信号です。音をコンピュータで取り扱うには、デジタル信号に変換する必要がありましたね。

デジタル信号とは、アナログ信号とは異なり連続しない信号です。そのため、音がアナログ信号からデジタル信号へ変更が行われた場合、音量レベルは段階ごとで区切られます。

例えば、音量レベルを区切る段階が少ない場合、音をアナログ信号からデジタル信号へ変換を行うと、以下のようになってしまいます。

ビットレート図1

元の波形の形から大幅に変わってしまっています。つまり、音をアナログ信号からデジタル信号に変換した際、アナログ信号の状態の音を再現できていないことになります。

この音量レベルを区切る段階を増やせば、元の波形に近い状態で再現できますね。

ビットレート図2

実際の音楽CDは音量レベルを何段階で区切っているかというと、65,536段階です。

ビットレートとは、アナログ信号からデジタル信号へ変換を行う際に、デジタル信号を何段階の数値で表現するかを示す値です。

65,536という数字ですが、65,536 = 2の16乗(2を16回かけること)と表すことができ、2の16乗を別の書き方にすると、2の16乗 = 16bitと表せます。

この16bitという数字、どこかで見たことがありませんか?
そうです、Mixcraftのサウンド・デバイス設定画面です。

MixCraft設定画面

この設定を確認すると、「今からMixcraftで作成する音楽は、1秒間に44,100回サンプリングを行い、音量レベルを16bit = 65,536段階に区切っている」ということが分かりますね。

サンプリングレートとビットレート、意識しないと通り過ぎてしまいがちな設定ですが、コンピュータで音楽を作るにあたっては避けては通れない設定ですので、この機会に覚えておいてください。

次回は、これらサンプリングレートやビットレートが、マスタリングにどのように関係するかをご紹介いたします。それでは!