【連載】Mixcraft 6で音と映像をミックス2 Vol.25!

Mixcraft連載大バナー

(2014/10/31)

Mixcraftの魅力をお伝えしている本連載。連載を一新してからは、マスタリングを取り上げています。

前回は、マスタリングから少し脱線を行い、サブミックス・トラックを使ったボーカル処理について取り上げました。

複数のボーカル・トラックを使用するパートの場合、サブミックス・トラックを使用することで、ボリューム管理、エフェクトのルーティングの簡易化といった利点が生まれます。

直接音質に関わる操作ではありませんが、作業効率が上がると楽曲の仕上がりが早くなり、試行錯誤がより行えるようになるため、サブミックス・トラックはうまく活用してください。

今回の連載ですが、前回からのボーカル繋がりということで、「ボーカルのオートメーション」について解説したいと思います。


ボーカルのオートメーションって、必要ですか?

オートメーションとは、DAWなどでツマミ操作を記憶し、再生時に自動で動かす機能のことをいいます。
Mixcraftのオートメーションにつきましては、以下URLをご参照ください。

この記事中では、EQの周波数ポイントを自動で動かすことにより、大胆な効果を生み出しています。
これは、オートメーションならではの効果と言えますね。

では、ボーカルにオートメーションをかける意味はどこにあるでしょうか?
まずは、以下音源をお聴きください。

このボーカル音源には、何もエフェクトがかかっていません。
そのため、ボーカルに抑揚が感じられると思います。フレーズ的に盛り上がりを感じる部分で、音量も上がっています。

しかしこのままでは、バックにドラムやベースなどのオケが追加された際に、ボーカルが聴き取りづらくなってしまいます。
では、先ほどの音源にオケを追加し、ボーカルが聴こえづらくなった状態を聴いていただきましょう。

では、この問題を解消するにはどうすればいいでしょうか?
それは、「ボーカルにコンプをかける」です。ボーカルにコンプをかけることで、音圧が増し、ぐっと前に出てきます。それが以下の状態です。

これで問題解決したように見えますが、コンプをボーカルにかけたことで、ボーカルの抑揚が失われています。
コンプをかける前と後で、音源を比べていただきましょう。以下の音源は、コンプ適用前 → コンプ適用後 → コンプ適用前 → コンプ適用後の順番に流れます。

コンプがかかったボーカルは、音量の変化が少なく単調に感じるかと思います。
コンプによって失われた抑揚を取り戻すために、ボーカルトラックのボリューム・オートメーションを書きましょう!

今回は、以下のようにボーカルトラックへボリューム・オートメーションを書きました。

ボーカルトラックへのオートメーション

では、先ほどのコンプを適用した音源と、どのような違いが生じたか確認してみましょう。
オートメーション前 → オートメーション後 → オートメーション前 → オートメーション後という順番で流れます。

ちなみに、このオートメーションを書いた音源にオケを追加すると以下のようになります。

ボーカルのボリューム・オートメーションを書くことで、音圧があり、なおかつ抑揚もついているボーカルに仕上げることができます。

もし、これまでボーカルのオートメーションを書いたことが無いかたは、是非チャレンジしてみてください。
ボーカルの表現力が大きく変わると思います!

それでは、次回もお楽しみに!