【連載】Mixcraft 6で音と映像をミックス2 Vol.10!

Mixcraft6マスタリング編大バナー

(2014/07/04)

Mixcraftの魅力をお伝えしている本連載。連載を一新してからは、マスタリングを取り上げています。

前回前々回は、サンプリングレート、ビットレートを取り上げました。今回は、これらサンプリングレートとビットレートが、どのようにマスタリングと関係してくるかご説明を行いたいと思います。


サンプリングレート、ビットレートを高くするメリット・デメリット

ほとんどのDAWでは、プロジェクトに対し、サンプリングレートとビットレートをそれぞれ設定することが可能です。

Mixcraftでいうと、ファイル / 設定 / サウンド・デバイス にて設定を行えます。

オーディオプリファレンス

サンプリングレート、ビットレートの値を大きくすると、1秒間にサンプリングを行う回数と音量を区切る段階が増えます。

そのため、コンピュータなどへ音の録音を行う際、よりリアルな音として録音を行うことが出来ます。

またDAWでは、サンプリングレート、ビットレートが高いほど、編集の際に有利だと言われています。特にプラグインを数多く使用するほど、違いが表れてくるため、録音、ミックスまでは48kHz、24ビットというように、サンプリングレート、ビットレートを高くして作業を行う方もいます。

しかし、サンプリングレート、ビットレートを高くすると、その分コンピュータに対してかかる負荷が増え、データ容量も大きくなります。ちなみに、16bit、44.1kHzの1秒当たりのオーディオ・データサイズは、

  • 2ch(ステレオ)× 2Byte(16bit)× 44,100 = 176,400Byte

ですので、24bit、48kHzの1秒当たりのオーディオ・データサイズは、

  • 2ch(ステレオ)× 3Byte(24bit)× 48,000 = 288,000Byte

となります。
音質が良くなる分、このようなデメリットもあることを覚えておいてください。

16bit、44.1kHzに書き出すタイミング

しかし、音源をCDにまとめる場合、オーディオCDの規格は16bit、44.1kHzのため、最終的に音源を16bit、44.1kHzに書き出す必要があります。

ダウンコンバートのタイミング

この時、どのタイミングでハイサンプリングレート、ハイビットレート(24bit、48kHzなど)の音源を、16bit、44.1kHzに書き出すかも大切になってきます。レコーディング、ミックスまでをハイサンプリングレート、ハイビットレートを行ったとすると、マスタリング前に書き出すか、マスタリング後に書き出すかの2択です。

オーディオを扱うにあたっての絶対的な正解はありませんが、僕はマスタリングでレベルが詰まった状態よりかは、マスタリングを行う以前のレベルに余裕がある状態で、16bit、44.1kHzに書き出した方が変化は少ないと思っています。

ただし、人によって感じ方は様々かと思いますので、実際に聴き比べなどを行ってみてください。

なお、24bitの音源を16bitで出力する場合、オーディオ信号の劣化を抑える処理として、「Dither(ディザ)」という処理技術があります。これは、ハードウェアやプラグインとして使用できるので、機会があれば試してみてください。

ここ3回で、サンプリングレートとビットレートを取り上げました。

音楽もそうですが、このようなオーディオは本当に奥が深いです。深いからこそ、難しいですし、楽しいと思います。

こういうオーディオの知識は、持っていればいるほど自分の武器となるので、興味がある方はもっと深く掘り下げてみてください。それでは!