(2014/03/28)
楽曲制作を通して、Mixcraftの魅力をお伝えしている本連載。
今回は前回の予告通り、コーラスとその他のエフェクトの併用方法について解説します。
【今回のもくじ】
■ コーラス効果のおさらい
■ 音を広げる
■ ディレイとコーラスを併用する
■ センド&リターン
コーラス効果のおさらい
同じフレーズを何度も録音すると、タイミング、音程に若干のズレが生じます。この若干のズレにより、独特な音の厚みが生まれます。これをコーラス効果と言いましたね。
このコーラス効果を擬似的に生み出すエフェクトが、コーラスです。
※コーラスのパラメータなどは、ミックスにチャレンジ!Part19「コーラス編」をご参照ください。
このコーラスを使用する意図として、”独特の音の厚み”を音に加えたい場合もありますが、”音を広げたい”場合にもコーラスは有効です。
音を広げる
コーラスはモノラルで入力された信号を、ステレオ出力ができる仕様のものが多いです。
Classic Chorusでは、画像赤枠のSPREADボタンをONにすることで、モノラル信号をステレオ信号に変換できます。
実際に、音源を使用して確かめてみました。
最初の4小節はエフェクトがかかっていない状態、次の4小節はコーラス・エフェクトがかかった状態です。音の広がり具合に注意して、可能であればイヤフォン、ヘッドフォンでお聴きください。
コーラスだけでも音を広げることができますが、更に音の広がりを強調したい場合は、ディレイとの併用が効果的です。
ディレイとコーラスを併用する
ディレイは、”原音の反射音を擬似的に作成するエフェクト”でしたね。
※詳細は、Mixcraft6で音と映像をミックス Vol.24!をご参照ください。
そのためディレイを使用すれば、音響空間を調整することができます。
それでは、コーラスとディレイを併用することで、どの程度音が変化するか確かめましょう。
エフェクトの変化をより聴き取っていただきたいため、原音 → コーラスON → ディレイ + コーラス ONの順番で流れる音源を作成いたしました。
音の広がりに注意して、お聴きください。
エフェクトの併用で、ここまで音が変わります。
新しいエフェクトを揃えなくても、お手元のエフェクトで様々な音色を作り出すことができます。
センド&リターン
先ほどの”ディレイ”と”コーラス”をかけた際、インサートではなく、センド&リターンでエフェクトをかけました。
センド&リターンの詳細は、“エフェクトのルーティング”をご確認いただくとして、この連載記事ではセンド&リターンを行う利点を考えてみます。
例えば、1つのセンド・トラックにコーラスを立ち上げたとします。
そして、「ギターにコーラスをかけたい」っと思ったら、ギター・トラックから、コーラスが立ち上がっているセンド・トラックへ信号を送ります。
すると、ギター・トラックからはエフェクトがかかっていないオーディオが出力され、センド・トラックからはギターにコーラスがかかったオーディオが出力されます。
次に、ピアノとシンセサイザーにもコーラスをかけたいと思ったとしても、センド・トラックを立ち上げているため、ピアノ、シンセサイザー両トラックから、センド・トラックへ信号を送れば、コーラスがそれぞれかかります。
もし、コーラスを各トラックにインサートしようとすると、3つコーラス・エフェクトを起動しなければなりません。
また、センド&リターンの場合は、同じ設定のコーラスが各トラックにかかっているため、一体感が得られる場合が多いです。
これらが、センド&リターンの利点と言われています。
今回のまとめ
もちろん、空間系のエフェクトは全てセンド&リターンで行わなければならないということはありません。個人的には”ミックスは、音が良ければ途中行程は何でもいい”と思っています。
しかし、”セオリーを知っていること”は重要だと思うので、センド&リターンをこれまで行ったことがない方は、是非お試しください。
これまで、ミックスで使用するエフェクトの解説をイコライザーから行って来ましたが、今回で一段落です。
次回からは、Mixcraft 6の目玉機能である、動画機能について解説していきます!
この動画機能を使いたくてMixcraf 6を購入された方も多いかと思いますので、
来週からの連載もお楽しみに。それでは!
- 次回記事:【映像編】ビデオ・トラックの作成方法
投稿者:うえだ
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