You are currently viewing 【連載】Mixcraft 6で音と映像をミックス Vol.27!

【連載】Mixcraft 6で音と映像をミックス Vol.27!

Mixcraft Pro 6で音と映像をミックス ヘッダー

(2014/02/21)

楽曲制作を通して、Mixcraftの魅力をお伝えしている本連載。前回まではリバーブ、ディレイといった空間系エフェクトをご紹介してきました。

今回は、同じ空間系エフェクトである「フランジャー」のご説明を行います。

demo版ダウンロード

フランジャーとは?

フランジャーは、独特のウネリを発生させるエフェクトです。
まずは実際のフランジャーの効果を確かめてみましょう。

以下の音源は、最初の4小節はエフェクトがかかっていないギターフレーズ、後半の4小節はフランジャーがかかったギターフレーズです。

SHOP|製品紹介
side_gvj_bundle_170.jpg

Acoustica Mixcraft 6

手軽にマルチトラック・レコーディング!

このように、フランジャーの効果はかなり強烈で、ギターフレーズと相性が良いと言われています。

また、過激に効果がかかることから、EQやコンプなどのように”音を調整する”という使い方よりは、”音にくせをつける”という使われ方が多いように思います。

例えば、”ギターソロにフランジャーをかける”、”楽曲のブレイク部分のドラムにフランジャーをかける”というような、 要所要所でフランジャーをかけることで、楽曲にアクセントをつけることが出来ると思います。

次に、フランジャーの原理についてご説明します。

フランジャーは、ディレイ効果を利用したエフェクトです。

※ディレイについての詳細は、Mixcraft 6で音と映像をミックスVol.24!をご覧下さい。

音は波形として表示することができますが、フランジャーに入力される音が以下のような波形と仮定します。

z1.jpg"

この波形(音)をディレイで遅らせました。それが、以下の図です。

z2"

赤線が元の波形、青線がディレイで送らせた波形です。
次に、ディレイ・タイムをさらに遅らせてみました。そうすると、

z3"

波形の凹凸がピッタリ一致しました。

ふたつの同じ音が同時に出力されると、音量は大きくなりますね。図で表すと、このような波形になります。

z4"

では、ディレイ・タイムをさらに遅らせ、2つの波形の凹凸が真逆になるようにしました。

z5"

このように波形の凹凸が真逆のものが出力されると、音はお互いを打ち消し合ってしまい、出力されません。

z6"

なお、これらの波形は一定の周波数(音程)しか含んでいないため単純な形ですが、通常の音は様々な周波数が含まれているため、波形の形は複雑です。

そのため、原音とディレイ音を混ぜ合わせると、ある周波数では音が増幅し、ある周波数では減衰します。

そうすると、音の周波数は以下のような特性に変化します。

z7

フランジャーに入力された音の周波数は、上の図のように変化するため、音色も変化します。
しかし、これだけでは、音にウネリは生まれません。

フランジャーは、上の図のギザギザ部分を常に変化させることで、音にウネリを生み出しています。

では、以上のことを踏まえて、フランジャーのパラメータを確認しましょう。

フランジャーの代表的なパラメータ

クラシックフランジャー

  • TIME:ディレイ・タイムを調整します。ディレイ・タイムを短くすると、フランジャーの効果は高い音にかかり、ディレイ・タイムを長くすると、低い音にフランジャーの効果がかかります。
  • RATE:音のうねる速さを調整します。
  • DEPTH:エフェクト効果の深さを調整します。
  • FEEDBACK:フランジャーからの出力をさらに入力へ戻すパラメータ。FEEDBACKを調整することで、音のうねり方が大きく変化します。
  • MIX:原音とフランジャー音の割合を設定します。DIRに回すと原音が、EFFに回すとフランジャー音が大きくなります。
  • LEVEL:Classic Flangerより出力されるボリュームを調整します。

それではこのフランジャーを使って、面白いサウンドを作ってみます。

フランジャーを強くかけた音をジェット・サウンドと呼ぶことがありますが、今回はフランジャーでジャンボ・ジェット機が離陸する音を作ってみたいと思います。

フランジャーでジェット・サウンドを作成する

まずは、ホワイト・ノイズと呼ばれるサウンドを用意します。

ホワイト・ノイズ

次に、EQでホワイト・ノイズの低域をカットします。

今回は音の抜けを良くするため、若干高域を持ち上げています。

img_fun_mc6_mix_vol27_g2.jpg

EQの後段にフランジャーをセットします。フランジャーの設定は、以下のようにしました。

クラシックフランジャー

そして、フランジャーのDELAY、DEPTHを以下のようにオートメーションを書いて完成です。

DELAY

クラシックフランジャー

DEPTH

クラシックフランジャー

完成した音源は、こちらです。

いかがでしょうか?ジェット機が離陸したサウンドに聴こえるでしょうか?

このようにフランジャーは独特な効果のため、不思議なサウンドを簡単に生み出すことが出来ます。みなさんも、様々な音源にフランジャーを使用してみてください。

次回はコーラスのご紹介です。それでは!

▼ 製品購入はこちら

mc6shop

投稿者:うえだ

うえだ

カスタマーサポート担当。
丁寧かつ迅速なサポートを心がけています。
弊社取り扱い製品についてお困りの際はお気軽にご連絡ください。

関連する記事をもっと読む

関連製品情報ページ