(2014/01/31)
楽曲制作を通して、Mixcraftの魅力をお伝えしている本連載。 前回は、リバーブについて解説を行いました。
リバーブはエフェクトの種類でいうと“空間系エフェクト”に分けることができます。
今回は、同じ空間系エフェクトである“ディレイ”について解説します。
ディレイとは?
音は音源から発せられると、周囲の壁などに反射します。この反射した音を反射音と呼び、原音と比べると、音質が変化していて、壁にぶつかった分、遅れて聴こえてきます。
図で表すと、以下のような働きです。
この原音に対しての遅れのことをディレイと呼びます。
カラオケでおなじみの輪唱したようになるエコーも同意義です。
それでは、ディレイの効果を音で体感していただきます。
初めの8小節はエフェクト無しのギター・フレーズが流れ、次にディレイの効果を適用したギター・フレーズが流れる音源を作成しました。お聴き下さい。
もちろん、音は何度でも反射を繰り返します。
壁に反射を繰り返すたびに、音質は変化しますし、何度も反射を繰り返した音は次第に重なり合って、残響として聴こえるようになります。
これが、前回まで解説を行っていたリバーブです。
ちなみに、おさらいとして、リバーブも音源を用意しました。お聴きください。
このように、ディレイとリバーブは“音に余韻をつける”という点では同じ働きを持っていますが、ディレイは、“原音の形を保った反射音を、擬似的に作成する”という効果を持っています。
ディレイは、音に奥行きを出すためにも使われますが、“原音の形を保っている”という点を利用し、飛び道具的な使われ方もされます。
ディレイの代表的なパラメータ
次に、MixcraftのClassic Delayを例に、ディレイの代表的なパラメータをご紹介いたします。
- PAN:ディレイ音のパンニング*を設定します。
- TYPE:ディレイのタイプを、テープ、アナログ、デジタルから選択します。タイプによって、ディレイ音の音質が変化します。
- TIME:どのくらいディレイ音を遅らせるかを設定します。
- LEVEL:ディレイ音を、何回反復させるかを設定します。
- QUALITY:ディレイ音の音質を調整します。
- LOW CUT:ディレイ音の低域をカットします。
- HI CUT:ディレイ音の高域をカットします。
- MIX:原音とディレイ音の割合を設定します。DIRに回すと原音が、EFFに回すとディレイ音が大きくなります。
- LEVEL:Classic Delayより出力されるボリュームを設定します。
*パンニングとは、音の配置していく作業です。詳しくは、Mixcraft 6で音と映像をミックスVol.11!をご覧ください。
また、ディレイの接続方法も、センドで使用される場合が多いようです。そのため、この連載でもディレイをセンドで使用していきます。
Mixcraftのエフェクトをセンドで使用する手順については、“Mixcraft 6で音と映像をミックス Vol.21!”をご覧ください。
ディレイ音が楽曲のテンポで変化!?
ディレイによって生み出された音(今後はディレイ音と呼びます)は、原音より遅れて聴こえなければ、効果が半減してしまいます。言い換えると、“ディレイ音をどのくらい遅らせるか?”によって、ディレイの効果が変わってきます。
このディレイ音の遅れですが、楽曲のテンポに合っていると気持ちいいものです。そのため、ディレイのプラグイン・ソフトには、テンポ・シンク(楽曲のテンポに合わせて、エフェクトの効果がかかる機能)が搭載していることが多いです。
先ほどの、Classic Delayにも搭載しています。
それでは、このテンポ・シンクを体感していただくため、以下に音源を用意しました。
この音源は4小節ごとに、ディレイ・タイムが1/2、1/4、1/8に変化します。
お聴きください。
上の音源を聴いていただいて分かる通り、ディレイ音がテンポに合っていると、非常に心地よく聴こえます。
簡単に設定できますので、みなさんも是非お試しください。
次回は、このディレイを様々な音源にかける実践編です。
それでは!
- 前回記事:リバーブ応用編
- 次回記事:ディレイ応用編
投稿者:うえだ
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