(2014/01/17)
楽曲制作を通して、Mixcraftの魅力をお伝えしている本連載。
前回は、リバーブの基礎知識について解説を行いました。今回は、様々な音源にリバーブをかけていきたいと思います。
リバーブはプリセットが基本!?
ソフトウェア・シンセサイザーやプラグイン・エフェクトには、必ずと言っていいほど、プリセットが内蔵されています。
プリセットとは、使用用途に合わせて、値が調整されているものを指します。
例えば、以下のMixcraftの内蔵インストゥルメント「Memorymoon」をご覧ください。
シンセサイザーを初めて触る方にとっては、訳の分からないノブやボタンが並んでいるだけで、楽曲を制作するモチベーションが下がってしまいますよね。しかし、近年のソフトウェアには、プリセットが大量に用意されており、それを選ぶだけで、様々な音色に切り替わってくれます。
これは、イコライザーやリバーブなどの、エフェクトでも同じです。
Mixcraftでも、ほぼ全てのエフェクトにプリセットが用意されており、前回ご紹介した
Classic Reverbも、このようにプリセットが用意されています。
このプリセットですが、リバーブを使用するにあたっては、特に重要と言われています。
以前、知り合いのレコーディング・エンジニアの方と話した時に、「リバーブを使うときは、1からパラメーターを調整することはしない」と言っていました。
プロの現場でも“まずプリセットを選んでから、パラメーターを微調整する”という使われ方が多いようです。
それでは、Classic Reverbのプリセットをいくつか試してみましょう。
Mixcraftのライブラリより、女性ボーカルのフレーズを用意しました。
これに、4パターンのプリセットをそれぞれかけてみました。
元の音源と比較するためにも、以下に用意した音源は2小節ごとに元音源 → リバーブ適用後と切り替わります。
- プリセット:Room
- プリセット:Empty Hall
- プリセット:Grand Hall
これらを聴いていただくと、それぞれのプリセットに特徴が大きく現れています。
プリセット:Roomだと、残響が少ないのに対し、プリセット:Empty Hallは、大きな広がりが感じられます。また、同じく広がりを感じるプリセットGrand Hallは、Empty Hallと比べて、残響音の音質が異なります。
これらのリバーブ音を、1から作るのは大変です。
プリセットは、どんどん活用していきましょう。
なお、自分の中でお気に入りのリバーブが決まれば、楽曲制作の初めから、リバーブを立ち上げておくと便利です。
例えば、下の画像のように、音の余韻が短め、中間、長めと、リバーブを用意しておくと、わざわざセンド・トラックを作って、リバーブを選択して、という手間が省けます。
是非お試しください。
リバーブの種類
先ほどは、Classic Reverbを使って、プリセットによるリバーブ音の違いを確認しました。次は、Mixcraftに内蔵されている3つのリバーブ・エフェクトの違いを確認してみましょう。
まずは、使用するエフェクトの確認から。
- Acoustica Reverb
簡単に操作できるよう、パラメーターが厳選されています。その分、各パラメーターの効き具合は、強めです。
- Acoustica Pro Studio Reverb
Mixcraft Pro Studio 6にしか内蔵されていないリバーブです。
項目別に分かれた見やすいパラメーターが特徴で、 DIFFUSIONノブでリバーブ音の密度や、EARLY GAINやBALANCEノブで、初期反射音を調整できたりと、細かな設定が可能です。
それでは以下のピアノ・フレーズに、それぞれのリバーブ・エフェクトを使用しました。
使用するリバーブによって、どのような違いが生じるかお確かめください。
今回の音源も、4小節ごとに元の音源とリバーブ適用後の音源が、交互に切り替わります。
- Acoustica Reverb
- Classic Reverb
- Acoustica Pro Studio Reverb
それでは、最後にちょっとした小技をご紹介します。
同じリバーブをどんどん使っていくと、「普段とは違う響きが欲しいな」と思う日がくるかもしれません。
こんな時、リバーブのプリセットをいじるのも手段の一つですが、別の方法を使って、複雑な響きを作り出すことができます。
それは、複数のリバーブを組み合わせることです!
ここに、異なる設定のAcoustica Pro Studio Reverbを読み込んだセンド・トラックを3つ用意しました。
そうすると、各トラックから、この3つのセンド・トラックに対し、個別にセンドを送ることができます。
ちなみにMixcraftでは、センド・チャンネルの切り替えは、以下のように行います。
リバーブのパラメーターを細かく調整することで複雑な響きを得ることも可能ですが、この方法だと操作がとても簡単です。どのDAWでも行えるため、是非お試しください。
それでは!
- 前回記事:リバーブの基礎知識
- 次回記事:リバーブ応用編
投稿者:うえだ
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