【連載】Mixcraft 6で音と映像をミックス Vol.15!

Mixcraft Pro 6で音と映像をミックス ヘッダー

(2013/11/22)

楽曲制作を通して、Mixcraftの魅力をお伝えしている本連載。
今回は、ここ数回に渡って解説を行ってきたイコライザーの最終回です。イコライザーを使用する意味から始まり、イコライザーの種類、イコライザーの使用方法など、解説を行ってきました。

イコライザーは、ミックスで最も使用するエフェクトの1つです。これまでイコライザーに重点を置いていなかった方も、この記事をきっかけにイコライザーの重要性について考えていただけたらと思います。

フィルターについて

前回お伝えしきれなかった、イコライザーとフィルターについて解説を行います。

まずは、イコライザーの機能の確認から。

イコライザーとは、“ある周波数帯域の音量を上下する”という非常にシンプルな機能を持つエフェクトです。
この”音量を上下する”というところがポイントで、任意の周波数帯域をカット、またはブーストを行えます。

EQ

それでは、フィルターとは何でしょうか?

フィルターとは、“任意の周波数成分を削ること”に特化した機能です。イコライザーを始め、DJコントローラ、シンセサイザーなど、数多くの音楽製品に搭載されています。

※ 以下の画像は、Reloop TERMINAL MIX 2です。

EQとフィルター

イコライザーは、 パラメトリック・イコライザーとグラフィック・イコライザーと、大きく2つに大別することができ、パラメトリック・イコライザーの中でも、ピーキング・タイプとシェルビング・タイプとありました。

※ 詳しくは、Mixcraft 6で音と映像をミックスVol.13!をご参照ください。

フィルターも、イコライザーと同様に、いくつもの種類に分けることが出来ます。代表的なフィルターの種類をご紹介します。

ローパス・フィルター

ローパス・フィルター

ローパス・フィルターとは、任意の周波数より低い周波数はそのまま通し、それより高い周波数は減衰させます。
高音域を削ることになるため、ローパス・フィルターをかけることにより音が丸くなります。

ハイパス・フィルター

ハイパス・フィルター

ローパス・フィルターと反対の働きを持つフィルターが、ハイパス・フィルターです。
任意の周波数より高い周波数はそのまま通し、それより低い周波数を減衰させます。ミックスでは、低音のこもりをカットする際などに使用されます。

バンドパス・フィルター

バンドパス・フィルター

バンドパス・フィルターは、ローパス・フィルターとハイパス・フィルターを組み合わせた形をしています。
低い周波数、高い周波数を減衰し、中心の周波数を通します。

これらのフィルターが、音にどのような変化をもたらすか、動画で確認しましょう。

※ 動画では、TB Parametric Equalizerを使用しています。TB Parametric Equalizerは、バンドパス・フィルターの機能を持ち合わせていないため、ローパス・フィルターとハイパス・フィルターで、バンドパス・フィルターの効果を表しています。

ワウ・ペダルについて

これらのフィルターを利用したエフェクターが、ワウ・ペダルです。
ワウ・ペダルとは、主にエレキ・ギターで使用されるエフェクターで、ペダルを踏み込むことで「ワウワウワウー」とサウンドを変化させるエフェクターです。

ワウのペダルを開閉することで、フィルタ(主にバンドパス・フィルタ)の、周波数をカットするポイントを動かしています。

実際にフィルターを使って、ワウ・ペダルの効果を再現してみましょう。

使用するエフェクターは、Classic Auto Filterです。

Classic Auto Filter

Classic Auto Filterでは、Filterの種類をTYPE(画像赤枠)から選択し、カットする周波数をFREQ(画像青枠)で設定します。

今回のフィルタータイプは、BP(バンドパス・フィルター)に設定しています。

周波数のカットするポイントは、楽曲のテンポに合わせて値を動かしたいため、Mixcraftのオートメーション機能を使用し、以下のようにClassic Auto Filterの FREQを設定しています。

FREQ

それでは、Classic Auto Filterでワウ・ペダルを再現したサウンドをお聴きください。
以下の音源は、何もエフェクトをかけていないサウンドと、Classi Auto Filterが掛かったサウンドが、交互に切り替わります。

このように、“周波数帯域の音量を変化させる”という点においては、イコライザーもフィルターも、ワウ・ペダルも同じ機能を持っていると言えます。

また、フィルターやイコライザーは、ピーキング・タイプやローパス・フィルターと様々種類がありますが、それぞれの仕組みは、決して難しいものではありません。

これらの仕組みさえ理解していれば、ローパス・フィルターとハイパス・フィルターを併用して、 バンドパス・フィルターの効果 や、DAWソフトのオートメーション機能とイコライザーを使って、ワウ・ペダルサウンドを生み出すことが出来ます。

イコライザーは、細かな各楽器の周波数帯域の調整から、ギターのワウ・サウンドの再現まで、幅広く行えるエフェクトですので、何度も練習し、使いこなしてください。
それでは、また次回。

投稿者:うえだ

うえだ

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