Mixcraft の様々な機能を使って、作曲を行っている本連載ですが、前回までにドラム・ビートとベース・フレーズが完成しました。
このドラム・ビート、ベース・フレーズは、Mixcraft に収録されているループ音源を編集したものです。
では、実際に楽器を弾いてフレーズを作成したり、鼻歌でメロディーを作ったりするような、「すでにフレーズはできているから、それをコンピュータから鳴らしたい」という場合はどうすればいいのでしょうか?
このような場合は、MIDIを使いましょう。
MIDIを使えば、自分の思い通りのフレーズをコンピュータ上で簡単に表現することができます。
Mixcraft6で音と映像をミックス Vol.6!では、MIDIを使って、シンセなどのウワものを作成していきます!
MIDIとは?
Musical Instruments Digital Interfaceの略で、演奏データをやり取りするための世界共通規格。
このMIDIのおかげで、自分の演奏をMIDIデータとして保存でき、様々な音源で鳴らせることができます。
Mixcraft にはバーチャル・インストゥルメントと呼ばれる音源が、Mixcraft 6には11種類、Mixcraft Pro Studio 6には14種類も内蔵されています。
バーチャル・インストゥルメントとは、MIDI信号で演奏する楽器です。
そのためMixcraftされあれば、様々な楽器で、自分のフレーズを鳴らすことができます。
では、ここまでの説明を実演してみましょう。
用意した機材は、写真の通りMixcraftをインストールしたコンピュータ
と、MIDIキーボードです。
MIDIキーボードとはMIDI信号を送信できるキーボードで、MIDIキーボード上でC3(ド)、D3(レ)、E3(ミ)と弾くと、どのくらいの強さで、どのくらい長さでC3、D3、E3の鍵盤を押さえていたかという演奏情報が、コンピュータへ送られます。
MIDIキーボードや、DAWソフトウェア、音源は様々ありますが、この演奏情報を取り扱う際の共通の通信規格が、MIDIというわけです。
このMIDIキーボードとMixcraftを使用して、フレーズの録音、音色の切替え手順などをまとめた動画を作成しました。ご覧ください。
MIDIによるフレーズ作成の手順
前置きが少々長くなってしまいましたが、今回はMIDIを使って、シンセサイザーなどのフレーズを作成します。
まずは、バーチャル・インストゥルメント・トラックを準備しましょう。
トラックヘッダのヘッダで「+トラック追加」ボタンをクリックし、「バーチャル・インストゥルメント・トラックの挿入」を選択することで、バーチャル・インストゥルメント・トラックが作成されます。
バーチャル・インストゥルメント・トラックが作成されたら、下記画像赤枠のピアノ・キーボードボタンをクリックしましょう。
インストゥルメント・プリセットウィンドウが表示されます。
このインストゥルメント・プリセットウィンドウから、音色の選択を行えます。
インストゥルメント・プリセットウィンドウには、楽器カテゴリーが表示されていて、それぞれの楽器カテゴリーをクリックすることにより、カテゴリーに含まれる音色が楽器プリセット欄に表示されます。
今回は、分類:Synth-Riffの楽器プリセット:Crypt Keeperを選択しました。
MIDIキーボードを使って録音もできますが、私は鍵盤が苦手なので、鉛筆ツールで直接フレーズを入力します。
このようにMIDIは、演奏データを直接入力できるため、鍵盤が苦手でも安心です。
それでは、トラック・ボディにクリップを追加しましょう。
クリップの追加方法は、インストゥルメント・トラック上のトラック・ボディ上で右クリック、コンテキスト・メニューから「楽器クリップを追加する」を選択します。
クリップを追加すると、以下の画像のようにサウンド・タブが表示されます。
サウンド・タブでは、MIDIデータの入力、編集が行えます。
それでは鉛筆ツールを選択し、早速フレーズを入力していきましょう!
ここで重要になってくるのが、デュレーション・ボタン、デフォルト・ベロシティ、スナップ・レベルです。
デュレーション・ボタン:
鉛筆ツールで新たな音符を追加する場合の、音符の長さを1分音符から32分音符から選択できます。また、付点音符と3連符を選ぶことができます。
デフォルト・ベロシティ:
ベロシティを指定します。ベロシティとは、鍵盤が押し込まれる「速さ」のことです。ベロシティの値が高いと、鍵盤を速く押し込んだ状態となり、音も強くなります。反対にベロシティが低いと、鍵盤を遅く押し込んだ状態となり、音も弱まります。
ベロシティは、音量とは異なり、音の強弱などを設定します。
スナップ・レベル:
最小の編集単位を決定します。
これらを分かりやすくお伝えするために、動画を用意しました。ご覧ください。
鉛筆ツールで直接打ち込むことで、鍵盤が苦手だとしても、難しいフレーズを表現することが可能です。
試行錯誤した結果、完成したシンセフレーズがこちらです。
段々と形になってきましたね。
MIDIを使うことで、表現の幅はさらに広がります。自分で作成したフレーズを、様々な楽器で鳴らせることがMIDIの醍醐味なので、みなさん早速MIDIを活用してください。
次回も、MIDIについて引き続き解説します。