第6回:Sledgeを更に活用するために
ハードウェアのシンセサイザーを使用していく上では作成した音色の管理なども重要な作業になります。今回は音色管理や専用エディターソフト“ SPECTRE ”を使用したサンプルプレーヤー機能に関して紹介したいと思います。
ハードウェアシンセサイザーの音色管理について
Sledgeに内蔵されているプリセット音色のエディットや、オリジナルの音色を新規に作成した場合などは本体にストアしますが、いつかは保存可能音色数の上限に到達してしまいます。また、不測の事態に備えてデータのバックアップも行なっておきたいことでしょう。別のケースとして、ライブでSledgeを使用する場合、ライブごとの音色の並べ替えや違うバンドやセッションなど用に並べ替えることも想定されます。これらの場合にはライブ用の並べ替えもできる限りスムースに行ないたいものです。これらの場合には、「サウンド・バックアップ」機能を使用することでスムースな音色管理が行なえます。
「サウンド・バックアップ」機能は、MIDIのバルクダンプでエクスクルーシブメッセージ化した音色データをDAWのMIDIトラックやMIDIデータレコーダー機能などを使用して保存しておくために使用します。
手順としては、MIDIの最後のページを呼び出し、バリュー・ダイアルを回転させて以下のいずれかを選択します。
- Send Current Sound:現在の音色データのみを外部機器へ送信します。
- Send ALL Sounds:全ての音色データを外部機器へ送信します。
いずれかを選択した後、DAWのMIDIトラックを録音状態にしてスタートさせ、SledgeのVALUEボタンを押します。
Sledgeからのデータ送信が終了したらDAW側も停止させ、バックアップ完了です。保存したデータをSledgeの方に呼び戻したい場合にはバックアップしたデータを最初から再生してSledgeで受信させます。その際にはDAWのMIDI OUTの設定をSledgeにすることも念のため確認しましょう。
ちなみにデータを呼び戻している間はSledgeのLED表示は特にメッセージなどが表示されませんので、再生終了後に音色の配列順番を確認することをお奨めします。
専用エディターソフト “SPECTRE”
Sledgeは、バーチャルアナログシンセサイザーですが、本体に内蔵されている60MBフラッシュメモリーにサンプル波形を読み込んで内蔵波形と同様に使用することができます。
その際に使用するのが専用エディターソフトの“ SPECTRE ”です。
SPECTREを使用する場合には、予めSledge本体とコンピュータをUSB接続し、SPECTREの設定は、MIDI & Audio SettingsにあるMIDI OutputをSledgeに設定しておきましょう。
試しに簡単なドラムセットを作成してみましょう。
まず、「NEW」ボタンをクリックして、新規のProgramを作成します。
「NEW」となっているプログラム名をクリックするとプログラム名が変更できますので、ここではDrum Kit 1としてプログラム名を設定しました。
続いてサンプル波形をSPECTREにロードします。Samplesの「Load」をクリックして読み込む波形を選んで追加していく以外にもサンプル波形の読み込み方は色々ありますが、読み込ませたい波形を選択したまま、SPECTRE上にドラッグ&ドロップすると追加できます。この方法は複数の波形を読み込ませたい時に便利です。
一通り波形が揃ったら、各サンプルのroot keyとhighest keyを設定して、各サンプル波形の演奏音域を設定します。
プログラムが出来上がったら、Saveボタンをクリックして保存します。
作成したドラムキットをSledgeに読み込ませる時は、Transmitボタンをクリックすると、図のようなダイアログが表示されます。
Sledgeに正常に読み込まれると、オシレーター1でこのサンプルプログラムを選択すると図のように表示され、Sledge上で使用することができます。