第3回:Note Gridを使いこなすための基本(3)
さて、今回はちょっとした効果音づくりに役立つ設定を紹介しましょう。
エンベロープモジュールを使用して入力されたノートのピッチを時間的に変化させてみたいと思います。
Envelopeを使用してピッチを時間的に変化させる
Note Gridは、単にMIDI信号のみを編集、加工するだけでなく、オシレータやフィルター、エンベロープなどのようにシンセサイザーを構成することも可能なモジュールも用意されていますので、Note Gridだけでもインストゥルメントデバイスを作成することができます。
例えば今回紹介するエンベロープも単にシンセサイザーの音作りにおける時間的な変化を設定するモジュールとしてだけでなく、入力されたMIDI信号を時間的にどのように変化させるかを設定するために使用できるワケです。
モジュール接続のプロセス
では実際にどのような設定なのかを紹介しましょう。
ADモジュールはアタックとディケイのみのパラメータを持つエンベロープモジュールです。今回のように音の立ち上がりと減衰を設定したい場合には、ADのみで十分設定できますが、もちろんより細かく変化させたい場合にはADSRを使用してもオーケーです。
各モジュールの接続方法は、まずNote InモジュールのPitch OutからADモジュールのSignal Inへ接続します。
続いて、ADモジュールのEnvelope OutからAttenuateモジュールのAudio Thruに接続します。
そして、AttenuateモジュールのOutからAddモジュールのIn A、Note InモジュールのPitch OutからAddモジュールのIn Bへ接続し、最後にAddモジュールのOut A+BからNote OutモジュールのPitch Inを接続してパッチングは完了です。
実際のピッチ変化はADモジュールのA(アタック)、D(ディケイ)パラメータで設定し、Attenuateモジュールでアマウント量を設定することで、ピッチ変化の深さを設定できます。
ちなみに、ADモジュールの右下のLoopボタンがオフの場合、ノートオン(=鍵盤を弾く)ごとに1回の変化となりますが、オンにするとノートオフ(=鍵盤を離す)まで設定した変化を繰り返します。
これを活用してワンショット系のエフェクトを得たい場合にはLoopをオフ、サイレンなどのようなアラート音を作成する際にはLoopをオンにしてみると良いでしょう。
このようにして作成したパッチを使用すると以下の参考動画のようになります。