第5回:アンプセクションとエンベロープ
さて今回アンプセクションを見ていきましょう。
アンプセクションの解説をする上でエンベロープについても知っておく必要がありますので、併せて紹介しましょう。
Spireのアンプセクション
Spireのアンプセクションには最終的な出力の音量などを設定するMaster Out(マスターアウト)のあるセクションが相当します)。
このセクションにはEQ、コンプといったエフェクトの他、ベロシティ設定が行なえます。また、Spireの初期設定ではENV(エンベロープ)1が4つのオシレーターすべての出⼒コントロールを行なうので、アナログシンセサイザーにおけるVCAのエンベロープに相当すると考えても良いでしょう。
ちなみにSpireには4基のENVが用意されていますが、音量の時間的な変化の設定にも使用できますので、アンプセクションの設定に関連する設定として押さえておきましょう。
エンベロープをアンプの時間的な変化に使用する
4基のエンベロープは音量の時間的な変化の設定を行なえるだけではなく、ピッチや音色などの変化に対しても使用されますが、ここではアンプのエンベロープ(=音量の時間的な変化)として使用する点について紹介します。
前述の通り、デフォルトではENV 1は4オシレーターすべての出⼒コントロールを行ないますが、任意のオシレーター音量の時間的な変化を設定したい場合には以下のような手順となります。
(例)オシレーター2の音量の時間的な変化を設定する場合
Master Outで出音のトータル調整を行なう
Master Outのセクションは、作成した音色の仕上げとして音質や音量などを調整する役割があります。ここにあるパラメーターの中で“Volume”が最終的な出力音量になりますが、実はここの設定は非常に重要です。
作成する音色によって設定するパラメーター値の他、オシレーターやエフェクトなどの使用数などによって音色自体の音量には差が生じてきます。例外的なケースはもちろんありますが、基本的にはどの音色でもある程度音量差が少ない方が作業しやすいので、このVolumeを調整して音色間の音量バランスを整えておくと良いでしょう。
また、Volumeを調整した後でX-CompやEQなどを使用した場合には、音質変化による音量差が生じると思います。その場合には再度Volumeの設定を見直しましょう。