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【連載】FabFilterでグイグイ行きましょう!vol.6

FabFilter製品の解説を行なう本連載。
これまでフィルター2製品、ソフトシンセ2製品を紹介してきました。

今回はアンプモデリング・プラグイン、Saturnを紹介します。

アンプモデリングといってもギター専用というものでもなく、最大6バンドのマルチディストーションで、各バンド毎のダイナミクス調整やMid/Side処理など、用途の広い製品です。

Saturnの機能解説

Saturnの基本画面はこのようになっています。

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これまでの連載を読んでくれている人にはそれとなくピンとくるGUIだと思いますが、Twin2やVolcano 2と同じタイプの配置です。

Saturnがインサートされているトラックからの入力に応じてグラフィックが反応するのと、ディストーション量に応じて背景の色が暗い赤から明るい赤に変わって行くので、視覚的にとても判りやすくなっています。

まず肝心のディストーションユニットを見てみましょう。
Saturnではディストーションその他をひっくるめてバンドコントロールと呼びます。

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左上に電源ボタン。
オフでバイパスなので効果の比較に使用します。

その右のフロッピーディスクのアイコンでディストーションユニットのプリセットのロードと、セーブが行なえます。
このプリセットは画面の最上部で選択するグローバルなプリセットではなく、ディストーションユニット単体のプリセットです。

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この文章を読んでくれている人の中には『フロッピーディスク』という言葉を聞いたことのない人もいるかも知れないな…と思いつつ、その右には16種の中からディストーションタイプを選択するプルダウンメニューがあります。

真空管やテープ、ギターアンプなどのエミュレートを含み、クリーンからかなり過激なものまで多彩なディストーションが用意されています。

その他の機能は以下の通り。

  • MIX:原音とバンドコントロールのミックスバランスを調整
  • FEEDBACK:バンドからの信号を入力にフィードバックする量を調整
  • FREQ:フィードバックの周波数を調整
  • DYNAMICS:右に回す程コンプレッションが深く掛かります
  • DRIVE:中央ノブでディストーション量、外周ノブでパンニング(Mid/Side)を調整
  • TONE:左からBass、Mid、Treble、Presence
  • LEVEL:中央ノブで現在選択中のバンドの音量、外周ノブでバンドのパンニング(Mid/Side)を調整

続いて最下部の設定欄。

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  • MIDI Learn:MIDI Learnボタンをクリックしてラーニングモードを有効にし、設定したいノブやフェーダーをクリックして選択。この状態でMIDIコントローラから信号を送信してラーニング
  • 三角ボタン:MIDIラーニング情報のセーブやクリアを行ないます
  • Channel Mode:DRIVEとLEVELのパンニングをL/RとMid/Sideで切り替えます

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  • Auto Mute:バンドコントロールのFEEDBACKでフィードバックし続ける設定になっている場合、ホストを停止した際に自動的にミュートするかを切り替えます
  • HQ:ハイクオリティ・モードのオン/オフを設定。ハイクオリティ・モードを有効にした場合、より多くのCPUパワーが必要です
  • ヘッドフォンアイコン:モニター対象を変更。インプット/アウトプット/サイドチェインから選択可能
  • In/Out:Saturn全体のインプット/アウトプットのレベルとパンニング調整。クリックするとノブが表示される
  • Mix:Saturn全体のMixバランスを調整クリックするとノブが表示される
  • ミックス右の矢印アイコン:Saturnの表示サイズを変更(Normal/Wide)

最大6バンドのマルチバンドディストーション

インタラクティブ・マルチバンド・ディスプレイ(各バンドのレベルがグラフィック表示されている部分)の上の方にカーソルを移動すると、+ボタンが現れます。

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この+ボタンをクリックするとバンドを追加できます。

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最大6バンドを作成することができて、それぞれの境界を左右にドラッグすると、バンドを作成した後でも帯域を変更できて、作成したバンド毎に完全に独立したバンドコントロールが使用できるので、かなり幅広い音作りに活用できます。

2バンド以上がある状態でマルチバンド・ディスプレイの上の方にカーソルを合わせると、各バンドごとのソロ/ミュートもコントロールできたり、また複数のバンドがある状態ではバンドコントロール右上にXボタンが表示されるので、このボタンをクリックすることで対象のバンドを削除できます。

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Twin2やVolcano 2と同じく強力なモジュレーションソースを自由に割り当てることができるので、時間軸に沿って深さが変化していくディストーションや、テンポに同期してTONEが変化するサウンドだったり、アタックを検出してフィードバック量を変えてみたり…考え出したらキリがないですが、とにかくただものではないディストーションなのは間違いないです。

公式のデモムービーを置いておくので、見てみてください。

モジュレーションについての詳細は例によってVolcano 2を紹介した記事で詳しく触れているので、そちらをご参照ください。

VOLCANO 2はシンプルな操作で、隠し味からキレッキレのサウンドやトリッキーなサウンドまで守備範囲広し。後編

Saturnのプリセットはギターはもちろんドラム向けのものやマスタリング向けのもの、エフェクティブなものやシーケンシャルなものも含まれているので、ギターだけでなく様々な曲やマスタートラックでも活用できます。

興味を持ってくれた方は是非デモバージョンを試してみてください!

それでは!