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【連載】FabFilterでグイグイ行きましょう!vol.3

FabFilter製品をじわじわと紹介して行きつつマニュアル代わりになるような解説をしようと始めた本連載。

今回は前回に引き続き積極的にサウンドメイクに活用できるキレッキレなフィルターVolcano 2で、予告通り各種モジュレータについて紹介します。

各モジュレータ詳細

前回紹介した通り、Volcano 2にはXY Controller、XLFO、Envelope Generator、Envelope Follower、MIDI Sourceの5種類のモジュレータが用意されています。

さっそく順番に機能を解説して行きます。

XY Controller

img_fffun_03_01

X(横軸)Y(縦軸)を独立して割当可能なパッドコントローラ。
割当を行なう際はコントローラ左上のXYのアイコンを、割り当てたい項目にドラッグします。

画像では中央にある的のようなコントローラを上下左右にドラッグして効果を与えます。

XLFO

img_fffun_03_02

一般的なLFOとステップシーケンスを組み合わせたようなモジュレータです。
デフォルトではサイン波のLFOですが、最右部の+-ボタンをクリックすることでポイントを増やして、ポイントの数字を上下にドラッグすることでステップシーケンスのように自由に値を設定することができます。

GLIDEノブを調整すると各ステップ間の滑らかさを調整できるので、デフォルト状態のサイン波のGLIDEを0にすると矩形波になるといった具合です。

試しにポイントを追加してGLIDEを0にしてみるとこのように表示が変わりました。

img_fffun_03_03

この画像の1/2ポイントの背景に見える右向きの三角印は左右にドラッグすることができます。
これはステップのオフセットで、例えば4の位置までドラッグすると、リトリガーされた時に4の位置からモジュレーションを開始することになります。

Freeと表示されているプルダウンメニューは、ステップのシンクスピードを設定します。
設定範囲は16,8,4,2,1,1/2,1/4,1/8,1/16,1/32,1/64で、1に設定した時の1ステップの長さは8分音符分になります。

FREQノブ右上のMIDIアイコンをクリックすると、MIDIリトリガーが有効になり、MIDIノートを受けた時に設定されているステップからモジュレーションを開始します。

シンクスピード設定プルダウン右のキーボードアイコンをクリックすると、キーボードグリッドスナップが有効になります。

img_fffun_03_04

このモードはポイントをドラッグする際に左のキーボードにスナップするようになるので、FREQに割り当ててメロディーを入力できるようになります。ピーク設定は高めが効果的です。

ただし、実際にはフィルターユニット側のFREQ設定とも絡むので、指定したノートになるというわけでもなさそうです。

各ステップの数字をクリックするとステップの詳細が開くので、各ステップ毎に波形やGLIDE量を調整できます。

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この機能のお陰でかなり複雑な設定も自由に行なえます。

Envelope Generator

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一般的なアタック、ディレイ、サスティン、リリースに加えてディレイとホールドも追加して左からDADSHR。

各ポイントをドラッグして設定します。

THRESHOLD上の3つのアイコンでトリガー方法を選択、左からノーマル、サイドチェイン、MIDIノート。

THRESHOLDノブでオーディオに反応する感度を調整します。
この設定によって設定したエンベロープをオーディオのレベルによってリトリガーするような使い方ができます。

Envelope Follower

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アタックとリリースのみのエンベロープフォロワー。
設定できるのはノーマルまたはサイドチェインのみ。

MIDI Source

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プルダウンメニューからMod Wheel、Pitch Bend、Velocity、Aftertouch、KB Track、Controllerを選択します。

Controllerを選択した時のみ真ん中のプルダウンメニューが有効になり、MIDI CCを選択できるようになります。

3段目のプルダウンメニューではMIDI入力時のカーブを変更できます。
MIDIキーボード設定では割と一般的なベロシティカーブのようなものですね。

各エンベロープに共通して、割当を行なった際に表示されるモジュレーションレベルスライダーの左端にカーソルを合わせると電源ボタンが表示されます。

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画像赤枠部分をクリックすると、その割当のみをミュートします。
例えば同じソースからFREQとPEAKに割当を行なっているというような場合に、PEAKの効果だけ聴きたいというような時はFREQがわをミュートするというような使い方ですね。

また、これはフィルターユニットとも共通ですが、各モジュレーションやフィルターのフロッピーマークでユニット毎のプリセットの呼び出しと保存、Xボタンでそのユニットの削除を行ないます。

フィルターのリンクとルーティング方法

前回フィルターのリンクについて少し触れて説明をし忘れていましたが、複数のフィルターを使用している場合に、フィルター選択ボタン上のリンクボタンをクリックすると、リンクが有効になります。

これは複数のフィルターのFREQとPEAKをリンクして同時に操作するという機能で、フィルター選択ボタンの上にカーソルを合わせてクリックするとリンクが有効になります。

例えばフィルターを4つすべて有効にしている状態。

img_fffun_03_10

画像ではフィルター1が選択されています。
この状態ではフィルター1のみがリンク表示されています。

例えば1と3と4を同時に操作したいと思ったなら、3と4の上のリンクを有効にします。

img_fffun_03_11

するとフィルター1,3,4の上にリンクアイコンが表示され、フィルターディスプレイでは各フィルターのハンドル同士が線で繋がれているのが確認できます。

この状態でもそれぞれのフィルターはハンドルで個別に操作可能で、リンクしたフィルターを同時に操作したい場合は線が集まった中心のリンクアイコンが表示されたハンドルを操作します。

前回説明し忘れたといえばもうひとつ、各フィルターのルーティング。

img_fffun_03_12

画像緑枠部分をクリックすることでルーティングの選択メニューが表示されます。
フィルターを複数使用する場合、ルーティングで効果が大きく変わるのにここの説明忘れては元も子もないですね。

そういったわけで、前後2回に渡って解説を行なったVolcano 2。
シンプルな見た目と操作感で、簡単に使えるのに隠し味から大胆な壊し系まで幅広くこなせる頼もしいフィルターです。

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