秋は楽器系のイベントが盛りだくさん!
週末はサンレコフェスでしたね。今年で3回目?さらっとですが、楽しませて頂きました。東京近郊の方で行かれなかった方は、次回は行ってみるといいと思いますよ。
なかなか各メーカーの新製品や主力製品を一気に見ることができ、対面でメーカーや代理店の人に質問できる機会はなかなかないので、いい機会だったと思います。
毎年秋は楽器系のイベントがたくさんあるので、タイミングが合ったらぜひ足を運んでみてください。近年は、東京に限らず大阪や福岡などでもイベントが開催されるようになってきたのでそういった情報はチェックしておくといいでしょう。
そういう貴重な機会には質問攻めにするつもりで行かれるといいと思いますよ!
前回までのFabFilter Tips
前回は、ダイナミックEQをわかりやすく(?)お伝えできたと思います。
あるトラックに気になる部分があり、EQをかけたいが、ずっとかかったままでいて欲しいわけではなく、音が出る過程の一部、それもある特定の周波数が気になってしまう…とか、不快に感じる部分を「その瞬間だけ」抑えてほしい場合、反対に強調したい場合、ダイナミックEQが最適な選択肢となります。EQとコンプレッサーのいいとこどりをした感じですね。
まずは問題となる帯域を見つけ、適切なEQシェイプを選択して必要な帯域に効果が表れるようQを調整する。その後、どれくらいの音の大きさでEQが効き始めるかスレッショルドを調整し、それを聴いて良い感じになるよう微調整していく感じですね。似たような効果が得られるエフェクトにマルチバンドコンプというものがあるということを以前にもお伝えしました。今回から数回でダイナミックEQとマルチバンドコンプについて比較してみましょう。
比較
どちらも似たように必要な時だけ必要な帯域に対して効果をもたらすという意味では同様と言えるでしょう…が、しかし!
前者はEQ生まれコンプ育ち、後者はコンプ生まれチャンネルデバイダー育ち。違うんですよね。
最初に言っておきますが、どちらかに優劣があるということではありません。そもそも機材に向き不向きとか好みはあっても、優劣ってあんまりない気がするんですよね。
まずは、画面の比較。
Pro-Q 3のダイナミックEQ画面
ダイナミックEQで調整していた部分をマルチバンドコンプに置き換えることにしてみましょう。
Pro-MBの画面
まぁ画面は似てないですね。(笑)
まずは使ってみるべし
ダイナミックEQはEQの指定したバンドが指定したEQカーブで入ってきた音にEQをかける。一方のマルチバンドコンプは帯域ごとにコンプの仕事を分担して行う。
似ていますが違いますね。
このロジックを理解して使い分けるといいと思います。音楽は芸術作品なので、直感的にイメージでツールを選択しがちですが、細かい音作りや修正をしていくとロジックを理解して使い分けていく方が、自分にとってのゴールに近づきやすいような気がします。
のちにダイナミックEQに戻すことも考えて現在使っているセッティングをプリセットとして保存しておきましょう。
置き換えたところで、、、先ほどダイナミックEQがかかっていた帯域を選択してコンプをかけてみます。
一方のダイナミックEQで作った音の場合。
う~ん、わからないでもないが、ニュアンスがちょっと意図したものとは違う気がしますね。
どう違った?
やはり似たような機能を搭載しているとはいえ、EQなのか、コンプなのか属性の違いが出ている気がします。
コンプレッションによって抑えたのかEQによって抑えたのかによって音のニュアンスが違いましたね。
Pro-MBの場合、音が圧縮された感じが残るので「ある帯域を抑えたい」という元々の目的とは結果が少しずれてしまったようです。マルチバンドコンプの方はアタック、リリースなどコンプレッサーとしての機能あが充実していてコントロールしやすそうですが、EQとしてのシェイプやQなどが備わっていないため抑えるという操作のニュアンスが変わってしまいました。
もちろん、マルチバンドコンプで得られたニュアンスの方が好きっていう方がいると思います。
これは好みなので、どちらでも好きな方を選択するべきですね。要はどちらが自分のイメージに近いか判断する耳があれば問題ないということで。
他の楽器で使用する場合はまた違うのかもしれませんね。
次回は、他の楽器で比較することにしてみましょう。