Pro-Q 3のおすすめ機能といえば
ここのところ夕立ちが多いですね。パソコンで作業しているとヒヤヒヤしますね。
今回は、ちょっとミックスシリーズをお休みしておすすめ機能について振り返っていきたいと思います。
まずはPro-Q 3からいきましょう。
おすすめ機能?
何人ものエンジニアさん、クリエイターさんにPro-Q 3で一番おすすめの機能についてお話し聴くとほとんどの方が「ダイナミックEQ」というお話をしてくれます。
最近同じ機能を搭載するプラグインも増えていますね。Pro-Q 3が初のダイナミックEQを搭載したプラグインではありませんが、なぜPro-Q 3が評価されるのでしょう?
いくつか点が挙げられるでしょうが、まずはその音質でしょう。イコライザープラグインにはいくつかの設計コンセプトがあって、一つにはビンテージ機材を再現したもの、これらにはサウンドにキャラクターがあって、「その音」が欲しいときに使ったりします。明らかにPultec EQの音が欲しい、とかNeveやAPIなどというときにそれらを再現したプラグインを使用することがあります。
それ以外の用途でキャラクター付けのないサウンドで音に修正を加えたい場合、Pro-Q 3のようなプラグイン環境が熟し始めてから開発されたもので、音にキャラクター付けがなく、クリアであることが条件ですね。
そして、設定に柔軟性があり、動作が軽いといいですね。イコライザーは極端な設定をすると位相に問題を引き起こすことがあるので、その可能性を限りなく低減できるとなお良いと言えるでしょう。
そんなわがままを実現してくれているのプラグインの代表格がPro-Q 3といえるでしょう。
そんな地力のあるプラグインにさらに便利な機能がついているので、評価が上がるのも頷けますよね。
ダイナミックEQ
イコライザーとはある一定の帯域を設定したカーブでブースト/アッテネート(カット)をするもので、録音された素材の不要な成分やミックスする上で邪魔になりそうな部分を抑えたり、足りない部分を強調するために使うものですが、一般的には設定した値がかかり続けるわけで、そういう意味ではスタティック(静的)なエフェクトです。
その反対で一旦設定した基準値がありつつも、設定したスレッショルドを超えるとEQが聞き出す動的なイコライザーがダイナミックEQです。
スレッショルドを超えるまでは(ほぼ)何も変化がなく、スレッショルドを超えた部分にだけEQが動作する、しかもその設定した帯域にだけ。できるだけナチュラルな音を残しつつ、一定の部分でだけEQが働いて欲しいなんてわがままを聞いてくれる、いまだに痒い所に手が届くようなイコライザーですね。
例えば…
単体で聴いているとわかりにくいのですが、これを聞いてみてください。
このままでもいいとは思うのですが、体が鳴っている部分をもうすこし強調することで歌の表情が増すのではないかと思いました。そこでPro-Q 3のバンドにあるヘッドフォンマークを押しつつ有効な帯域を探しました。
持ち上げる帯域が決まったらどれくらいの大きさで反応するかスレッショルドを使用して設定します。
ではダイナミックEQ後の音を聴いてみましょう。
歌詞でいうと「ありがとう」のりの部分や「大事な…」の部分が少し強くなっているように感じますね。
耳障りな部分を抑える使い方もできますが、このように歌い手の持つ表現力にプラスアルファを加えるのも使い方の一つかな…と思います。