春はまだでしょうか?
節分、立春が過ぎて暦の上では春なんですけど、2月は寒いワケないですよね!?5日には大雪降ったり、今週は春のような陽気になったり体がついていきませんね。
はやく暖かくなってくれることを切に願います。
さて、今回もスナノツカの喪失グラビティを使用してお話を進めていきます。
スナノツカ
喪失グラビティ
前回からの引き続き
今回、音色がガットギターなので、あんまり硬い質のリバーブ音は合わないのではないか、ということとイメージ的に柔らかい音にしたいということを念頭に音作りをしています。音色的にOKであれば、かかり具合を調整してみましょう。
前々回くらいに書いたセンド量やリターン量を調整する方法を試してみます。
ボーカルにも潤いを
オリジナルの作品ではドライな印象だったので、そのイメージからは大きくかけ離れたくはないと思っています。
たっぷりとしたリバーブをかけるのではなく、なるべく自然で暖かみのある空気感を演出、声の周りにふわっとするような空気感を与えられたらいいなというイメージの元に進めていきましょう。レコーディングされたボーカルの音色も柔らかい音を目指したんだろうなと想像できるので、たぶん方向性は合っていると思います。
同じ種類のリバーブ
最初にギターにかけているリバーブと同じリバーブをボーカルにかけてみます。
ちょっと浸り過ぎな感じがしますね。(笑)
ポジティブな点としてはギターと同じ空気の中にいる一体感というのがあるような気がします。ギターだけの時もちょっと気になってはいましたが…中低域が少し目立つようになりましたね。全体的に不明瞭な感じに聴こえるので改善をしたいところです。
気になる周波数帯を特定してそこをどうやって改善するか考えてみましょう。
どこに問題が?
マスタートラックにPro-Q 3をインサートしてみました。
これで何をしているかというと、マスターでどんな感じの周波数分布になるかPro-Q 3のアナライザー画面をつかって確認してみるのです。
気になっているのは、緑色の点がある当たりの周波数帯(300Hz弱)くらいの周波数がかな…と。 そこで試験的にマスターに挿したEQでこの周辺の周波数を少し下げてみました。
この辺りを少し抑えることですっきりと明瞭に聴こえるようになりましたね。ただこの辺りを下げ過ぎてしまうとパワー感が失われて弱弱しくなってしまうので注意が必要です。このままマスターでEQをかけてもいいんですけど、それぞれのトラックに合うような処理をしたいですね。
EQ調整
ボーカルをこんな感じで調整してみました。
スッキリしてオリジナルよりも少し前に出てきた感じがします。
個人的には、子音の聞こえ方とも含めこういう音の方が好みです。こうなるとギターの低域の不明瞭さが気になってきてしまいますね~。(笑)やりだすときりがない!
ギターのトラックは2本あって、そのうちの一本をEQで調整してみました。
ボーカルの持つ帯域の低い部分(胸鳴り)とギターが当たってしまう部分をダイナミックEQを使って抑えました。サイドチェーンでボーカルをトリガーにすることでボーカルが出ていない部分はギターの音に影響はありません。これで言葉によって奥に引っ込んでしまったりすることを防げたと思います。
まとめ&本来やりたかったこと…
前回に聴いたギターだけのトラックでは思ったよりも深いなという印象だったリバーブがボーカルが入ることでそんなに気にならなくなった気がしませんか?
まぁこれでOKというわけではなくて、この後ハーモニカも入ってくるので仕上げていく段階で調整しつつ進めていますが、その段階でも再調整が必要になることもあるでしょう。
今回、本当はギターと同じリバーブをかけた後に異なるリバーブをボーカルに使ってみようと思っていたのですが、ちょっと文字数が長くなってしまいそうなので次回への持ち越しとさせていただきたいと思います。