NAMM SHOWが開催されました
Winter NAMM2024が開催されました。楽器メーカーさんも毎年毎年新製品を開発、リリースするの大変ですよね。毎年楽しみになるような新製品をありがとうございますと思いながら財布の中身を心配しています。(笑)
いよいよ新しい楽曲
今回から新しい楽曲を題材に進めていこうと思います。
アーティスト名は「スナノツカ」 スナガイ(Vo)とツカ(Gt)の2名からなるデュオで数年前に出会ってから密かに応援をしています。歌とギター + ハーモニカがメインなので空間と声のカラーを大切にして音を作ってみたいと思います。楽曲は「喪失グラビティ」を使わせてもらいます。元々はレコーディングしたガンボスタジオの川瀬さんというエンジニアが担当されている作品があります。今回は、ご好意でパラトラックを提供していただきました。川瀬さん、ありがとうございます。
オリジナルはこちら。
スナノツカ
喪失グラビティ
オリジナルは残響が少なめですね。
まず各トラックの音を確認してみる
エンジニアさんから送ってもらったトラックをPro Toolsに並べてみました。フェーダーも何もいじっていない状態です。この状態で聴いてみましょう。
このままでもある程度バランスが取れていて、このままでも聴いていられますね。これは録音する際にどんな音でどんなバランスで鳴っていてほしいかイメージができていて、その通りに録音されているんだと思います。録音するときには方向性を決めてある程度イメージを持って録音するとミックスする際の作業が少なくより良いサウンドが作れると思います。このくらいの編成だと自宅でもレコーディングすることができるので、録音する際の参考にしてもらえると嬉しいです。
まずはギターの音
ギターの音作りから始めてみましょう。
使用されているのはガットギターです。前述したようにある程度の音作りはできた状態で録音されているので2トラックでサウンドホール側とネック側(なのかな?)で取り分けられている音のバランスを取りつつかるくコンプとイコライザーで調整しておきました。
それぞれのトラックにセンドリターンでデフォルトプリセットのリバーブをかけてみたところ…。
さて、、、どんな音で聴かせたかったのでしょう?(ボーカルを含めて)録音された音と表現したいサウンドの方向性にリバーブの音は合っているでしょうか?
チェックポイント&聴き比べ
リバーブを使用する際に主に使用するパラメーターにそっていくつかチェックしてみましょう。
ん?逆かな?イメージしている音と、現在出ている音の差を比較して、イメージに近づけるにはどのパラメーターを調整すればいいか考えてみましょうか。
リバーブの長さ ≒ リバーブタイム
デフォルトでは2.50sとなっています。まずはデフォルトの状態で聴いてみましょう。
私個人のイメージでは「昼間、陽の当たる暖かい場所でそんなに大きくないスペース」と考えています。そう考えると2.50sはちょっと大きい(長い)気がするので思い切って1.70sにしてみました。
まだ少し長いかもしれませんが、この後カラーを変えていくと音質によっては思っているより短めに感じるようになる気がするのでイメージよりも長めにしておきます。
響きのカラー ≒ ブライトネス
このパラメーターだけでは決まりませんが、もう少しだけ暖かい?柔らかい?サウンドにしてみようと思います。
響きのカラー ≒ EQ
Pro-Rには他にアナライザー画面上で表示されている青とオレンジ色の線で表示されているイコライザーででもリバーブのカラーを調節することができます。
青色の曲線はディケイレートをコントロールするためのEQとして使用することができ、高域、低域で別々のディケイとなるように設定することができます。オレンジ色の線はポストEQでリバーブ自体の帯域をコントロールすることができます。
ここでは視覚的にサウンドが見やすいので大まかな音のカラーをブライトネスで決めて、イコライザーで微調整したらわかりやすいんじゃないかと思います。
少しだけ調節してみた結果です。
ちょっとリバーブが濃いかもしれませんね。一旦このままで次の作業に移りたいと思います。
※ なぜかは後ほど…
ここまでのまとめ
今回はリバーブタイムによって部屋の広さを、ブライトネスやEQによって響き方や質感を調整することを行いました。これで終了できるほどリバーブの奥は浅くありません。
次回以降もリバーブ処理についてお届けしようと思います。