新しい年になりました。
2024年1回目のFabFilter Tipsです。本年もよろしくお願いいたします。
私は、年末にインタビュー取材をやらせていただき、興味深いお話を聞けて、年末年始で記事にしようと思っていたのですが、年末から体調を崩してしまい、年末年始が台無しでしたよ…。世の中も年明けからいろいろありましたが、前を向いて明るく楽しく過ごしていきましょう。
プラグインやDAWの技術開発のスピードが速くてついていくのに必死ですよ。最近イマーシブ環境にも興味があり、作業部屋にも導入したいと思って検討をしていますが…部屋がスピーカーだらけになってしまいそうで慎重に検討しています。
続・リバーブの聴き比べ
今回もリバーブ音の聴き比べをしますが、ちょっと趣向を変えてみましょう。モバイルデバイスでの試聴時は、イヤホンで聴いていただくことをおすすめします。
今回はリバーブに焦点を絞っているので整音はそこそこにしておいて早速リバーブをかけていきましょう。
モノラルの音源にモノラルインスタンスでリバーブをかけた場合と、ステレオインスタンスでリバーブをかけた場合を聴き比べてみましょう。比較試聴という趣向のため、プラグインのパラメーター、センド量、リターン量は等しくしています。
今回使うプラグインの設定はこの通りです。
まず、モノラルの音源にモノラルのリバーブをかけてみました。
モノ-モノ
なんにも言われなければ「素朴なサウンドですね。」という印象を受けるかもしれません。設定のせいかもしれませんが、音の後ろに残響が鳴っていて広い空間の手前の方で演奏されている雰囲気が出ていますね。
このプリセットはリバーブタイムが2.00sと長めなのでもう少し短いリバーブタイムにして、素朴な「部屋」で演奏している雰囲気を出すのも面白いかなと思います。また、ステレオに振られたオケの中のメインボーカルにのみモノラルのリバーブをかけて中央に位置していることを強調してみるのも良いと思います。
モノ-ステレオ
今度はモノラルの音源にステレオのリバーブをかけてみました。
モノラル時よりも広がりを持ったサウンドになりましたね。このカラクリについては振れると長くなるので、インターネット上の参考になる文献をさがしてみてください。
ボーカル+ギターなど音源の少ない構成からなる楽曲の場合、幅を持たせたり、それぞれの位置を整理するために使ってみても良いと思います。
モノの時にも話しましたが、センターにモノでボーカル、何らかの処理はするけど、ギターの原音はセンターのままでリバーブをステレオにしてみるのも面白そうです。
かかりかたの考察
リバーブのかかり方の調整ってプラグイン自体の設定でも可能ですが、それ以外の要素として並列でかけるときにリバーブトラックに送るセンド量、ミックスに戻してくるリターン量によるものも考えられます。 リターン量によって「濃さ」が変わるのはわかりやすいと思いますが、センド量を変えることでレスポンスが変わったりもします。プラグインの設定はそのままにセンド量、リターン量を変えることによってどう変わっていくかチェックしてみましょう。
まずはわかりやすいリターン量の違いから
リターン量を変えてみた:
まずはリターン量多めにしてみました。
ちょっと原音が残響音に浸り過ぎている感じがしますよね。 では適量だと思う値へ。
まぁ普通に聴ける感じになりました。
センド量を変えてみた:
次にセンド量を変えてその差を確認してみましょう。センド量を上げるとリバーブに入力されるドライ音のレベルが上がるので必然的に原音が小さな音でもリバーブが反応しやすくなります。
逆にセンド量を下げると小さい音の時はリバーブが反応しにくくなり、強かったり、大きな音に反応するようになります。
演奏のダイナミクスに合わせてリバーブのかかり具合が変わることで空間に関する演出を一つ追加できるのではないかと思います。でも、これはディレイでやった方がいい雰囲気を作れるかもなぁ…。
そんな感じでパラメーターを調整する前に繋ぎ方やセンドリターンでかかり方を調整してみるの巻でした。
近々、インタビュー記事も上げられるよう鋭意記事を作成中です!
お楽しみに!