師走
2023年も残り2週間あまり。今年ははやく通り過ぎた感じがしてます。今年はやり残したことがたくさんあるなぁ~。2024年はしっかりと計画を立てて、やるべきことを遂行していこうと…(毎年思ってるな)。
次回からリバーブをお届けするにあたり
2曲連続で実際にリリースされた曲を題材として私がミックスするのであれば、というコンセプトでお届けしてきました。コンプレッサーやイコライザーは音楽制作をする上で使用頻度の高いプラグインとして多めに、そしていくつかのシチュエーションでの使用方法で紹介してきました。ある程度の使用方法というか、どうやって使えばいいかは本コラムでだいぶお伝えしてきたかな、と思っています。
FabFilter製品にはその他にも多くのエフェクトプラグインがあるので、今後はそちらにフォーカスした記事を書いていこうと考えています。
まず最初にリバーブである「Pro-R」を使ってお届けしようと思います。
(※ 執筆時点では、”Pro-R”ですが、現在発売されているバージョンは「Pro-R 2」となります)
イコライザーやコンプレッサーはサウンドを直接的に変化させますが、リバーブやディレイなどは原音にエフェクトを加えるので原音の質がエフェクト音の質にもろに影響を与えてしまいます。しつこいくらいイコライザーやコンプレッサーについて語ってきたのはそのためもあります。
まずはいくつかのタイプのリバーブを聴きくらべてみよう
前には話しましたが、ハードウェアというかリアルのリバーブシステムにはいくつかの構造があります。
- プレートリバーブ、・スプリングリバーブ、チャンバーといった機械的に残響を作り出すもの
- ルーム、ホール、カテドラルのような響きのある部屋をイメージして再現したもの
これらのシステムをエフェクトとして人工的に作り上げるようプログラムされたものがリバーブというエフェクトです。
録音するときはできるだけドライな状態(といっても良い)が望ましいと言われています。
空間の響きがなるべく少ない状態でリバーブを加えた方が滲みや濁りのないリバーブをかけられるので、できるだけ…で。
リバーブを聴き比べよう
同じ短めの音を題材にリバーブを聴き比べることにします。
ギターを録音したので聴き比べてみましょう。試聴にはイヤホン、ヘッドホンを推奨します。
まずは、ドライの音。これは、私の作業部屋でギターから15cmくらいの場所にマイキングをして録音しました。
次にリバーブをかけてみます。
Pro-Rでは、プレートやルームなどのキャラクターを選択するパラメーターはありません。しいて言えば、SPACEがそれに相当するのではないかと思います。
このパラメーターで小さいアンビエンスから大聖堂(カテドラル)までのルームモデルを選択することができます。
秀逸なのは、ルームモデルだけでなく、パラメーターに合わせてディケイタイムも自動で変化していきます。ノブの周りにあるアイコンが部屋のタイプや大きさの目安になりますね。
では、どうするか。
豊富なプリセットでそれらしいものを取り上げて聴いてみましょう。
まずは「Ambience>Bathroom」。
Bathroomってお風呂?と思いきやトイレの意味もあるのでたぶんこの音はトイレではないかと…。お風呂だった場合はもう少し長いリバーブがかかりそうですよね。
次にSmallの中から「colored Room A」。
先ほどよりも部屋であることを主張しますが、自然な感じで聴きやすいですね。低音弦を弾いたときの共鳴が少し気になりますが、その辺を修正すれば小編成のアコースティックバンドや、弾き語りのギターに使えそうです。
同じSmallの中から「colored Room C」。
部屋の大きさは同じくらいでありながら高域が抑えられているからか少し暖かみを感じますね。素朴な曲や語るような歌い方のぼボーカルに合いそうな気がします。
Mediumからは「Acoustic Guitar Studio」を聴いてみましょう。
少し大き目なスペースでギターを弾いている情景が目に浮かびますね。私はこれくらいのリバーブ+ディレイでの処理が好みです。
Largeでは「Concert Hall Sidney」を試してみましょう。
Sidneyってオペラハウスってことかな?大きなスペースが広がって、多くの反射が得られていることがわかると思います。これはソロ系の音ならいいのかな?キレイなリバーブですね。
このように豊富なプリセットがあるので、好みに合うようなプリセット名を試聴してみて、そこをベースに各パラメーターを調整していくと割と早く好みのサウンドに辿り着けるのではないかと思っています。
まとめ
プリセットすべてを聴くのはナンセンスなので、すこしだけピックアップしてみました。
今回はアコギだけなので、ギターとリバーブというわかりやすい構図で聴くことができましたが、他の楽器やボーカルなどが入ってくると、またいくつか気を付けることだったり、調整することがでてきます。
その辺りを次回からご紹介していきたいと思います。
お楽しみに。