今回からコンプレッサーのPro-C 2を紹介します。
コンプレッサーもかなり丁寧に説明していきますので、一緒に楽しんでもらえると嬉しいです。
Pro-Q 3と同様に視認性の良さはエディットのしやすさ、そしていい結果への近道だと思っていま~す。
さぁいよいよコンプレッサーのPro-C 2
使用する機会の多いコンプレッサーですが、その実態は??
制作経験の多い人やプロの方は当然知っているとは思いますが、イマイチよくわかってない….という方のためにざっくりと説明します。
レベルの急激な変化を抑制するために、ある一定のレベル(スレッショルド)を超えた時点で超えた分をどれくらい圧縮するか(レシオ)を設定することができ、その圧縮もいつから(アタック)いつまで(リリース)にするかなどかかり具合も調整することができます。
今回と次回でコンプレッサーの基礎についてお伝えしたいと思います。
これを知っておけば、どのコンプレッサーを使っても迷うことは無い!(だろう)と言っておきましょう。
さて、Pro-C 2の画面を見てみましょう。
Pro-C 2のパラメーターたち
4つのでっかいツマミが目立ちますね。
左から、
- スレッショルド:コンプレッサーがかかり始めるポイント(レベル)を設定
- レシオ:スレッショルドを超えた信号をどれくらいの比率(レシオ)で圧縮させるかを設定
- アタック:スレッショルドを超えた信号にいつからコンプレッションを始めるかを設定
- リリース:スレッショルドを下回った信号にいつまでコンプレッションをしているかを設定
上の解説文を読んで気付いたことはありませんか?
スレッショルド以降はすべてスレッショルドの動作に左右されます。
知っている人にとって、スレッショルドで設定したレベルを超えないと動作しないのは当たり前なのですが、これは大前提です。
しかし、いくらスレッショルドを適性の位置(ん?適性の位置ってなんだ?>後述)に設定したとしても….レシオで圧縮比率を設定したり、アタックで音が出ている間に反応するように設定しなければ何の意味もありません。
ここにまず、コンプレッションされていないドラムの音があります。
これにコンプレッションをかけてみましょう。
音の変化はわかりますか?
このトラックにかけたコンプレッションの設定はデフォルトの設定です。
この図から読み解ける情報がいくつかあります。
上の赤い線は時系列でコンプレッションされている量を表示しています(ゲインリダクションともいう)。
その下のグレーの波形はそのトラックの音ですね。
右のメーターの真ん中で上から下へ向いている赤いメーターもゲインリダクション量を表示しています。
FabFilter製品に共通して言えることですが、やはり視認性がいい!
これを出発点として4つのパラメーターを動かしてみましょう。
スレッショルドを下げてみましょう。
デフォルトの設定よりも10dB分下げてみました。
明らかにコンプレッサー!!っていうかかり方をしています(カッコよくはない)。
プラグイン上で示されている赤い線、メーターも明らかに量が増えてます。
そして、グレーの波形があからさまに2種類。
手前っぽく表示されているのがリダクション後、奥っぽく見えてるのがリダクション前の波形です。
視覚的に“これだけ変わってますよ”っていう情報が入ってくるので作業がしやすいですね。
これだけ激しくゲインリダクションを行うとトラック全体の音量が下がります。
そうなったときは、少し小さ目なツマミの上側にあるゲインツマミを使って下がり過ぎてしまったゲインの補完に使用します。
これを基に4つのパラメーターだけを使用してちょっと調整を試みてみました。
音がシャキッとした感じでアタック感が出ていてコンプレッサーによってソリッドな感じになってますよね。
コンプレッサーってかけ過ぎちゃうと下品な感じになりやすいので、かけすぎに注意してくださいね。
次回は、他の細かいパラメーターを使って紹介しつつ、他の音色でも試してコンプレッサー、そしてPro-C 2への理解を深めていきましょう。