今回もマルチバンドコンプについて
音楽とは全然関係ありませんが、ワールドカップを観ちゃいますね。
友人と始めるYoutubeチャンネルの撮影後、帰って観戦しようと急いで帰路に着いたら電車、街中に人影があまりありませんでしたね。
今回もマルチバンドコンプについてお伝えしていこうと思います。
前回からお伝えしているマルチバンドコンプPro-MBですが、どんな状況で使うと効果的なんでしょうかね。
前回はベースに使ってみましたが、今回も含めて数回で“マルチバンドコンプ”の魅力について考えてみましょう。
用途について考えてみた
どんな時に使ったら適しているんでしょうね?
まずはじめに、エフェクトの使い方って正解は一つではないし、クリエイティブな世界で使うのだからセオリーと言われるものはあっても、音が良かったり魅力的に聴こえるのであれば問題ないと思います。
マルチバンドコンプって、コンプレッサーを帯域別に分けてかけることができるので、幅広い帯域を持つソースに有効であることはわかりますね。
ぱっと思い浮かぶのだとピアノ、やギターでもいいでしょうし、ドラムバスにかけても良いですよね。
今回はドラムバスにかけてみましょうか。
ドラムバスとは?
ドラムはバスドラム、スネア、タム、ハイハット、シンバルなど複数の楽器を組み合わせて演奏されるリズム楽器です。
生のドラムをレコーディングする際はそれぞれを別々のトラックにレコーディングしつつ、アンビエントマイクなどたくさんのマイクを立ててレコーディングします。
最近のドラム用音源は同じようなシチュエーションを再現できるようになっているので、音源からパラで出力してDAWの別々のトラックにインサートすることができます。
今回は、ステレオのインストトラックにタムだけを残し、キック、スネア、ハイハットをモノラル、オーバーヘッドをステレオという構成で作ってみました。
それぞれ楽器をまとめてバランスと取り、「ドラムス」というパートにできたら、それらをステレオバストラックにまとめることでミックス時の調整がしやすくなります。
そのバストラックにまとめたところでドラムスのパートとしての調整を行います。
キック(低域)にだけコンプをかける
ちょっとキックの音が悪目立ちしている気がしますね。
フェーダーを下げるという手も考えられますが、この勢いを持たせたままにしたいのでこの部分にだけマルチバンドコンプで抑えることにしましょう。
まずは125Hzで区切ってこんなセッティングにしてみました。
紫色で示されている部分はコンプレッサーがかかっている範囲です。
黄色い横線はコンプレッサーがどれくらいかかっているかを示しています。
紫の横線はコンプレッサーの効果が及ぶ最大の範囲を示しています。
この感じだと低域の音はまだ少し濁った感じがします。
一番左の帯域の右側(それより上の帯域)との間の区切りはバッサリと区切られているわけではなくクロスフェードしていて、そのクロスフェードカーブを調整することができます。
先ほどのトラックでは緩やかなカーブでしたが、これを少しきつめのカーブにしてみましょう。
スロープの調整はこのアイコンを上下にドラッグすることで調整可能です。
さて音の方は…
低域の….イメージでいうとバスドラムの胴が鳴っているような部分の濁りが無くなってスッキリしましたね。
これをイコライザーで処理することもできますが、マルチバンドコンプを使うと帯域を削るというより抑えるということでより自然な感じで調整することができました。
これは作っている側のイメージの問題かもしれませんが大切なニュアンスですね。
最後にお知らせ
皆さんお待ちかねのブラックフライデー、FabFilterもオランダ代表として参戦しています。
この機会に興味のあるものを手に入れてみてはいかがでしょうか?
個人的には個々に買うよりもバンドルをお勧めします。
自分で使っていても、友人たちに聞いてみてもそうなんですが、FabFilter製品は「一貫した操作性とクセのない音、精度の高さがあって、使いやすいので多用するエフェクトタイプでは一つの選択肢として持っておきたい」という方が多いですね。
音にキャラクター付けをすることなく細かい部分まで調整できるスグレモノです。
まだお持ちでない方はこの機会に手に入れてはいかがでしょうか?
その後、このコラムの今までの記事を読みながら使い方を覚えて頂けたら幸いです。