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FabFilter Tips vol.45

マルチバンドコンプレッサーとは?

皆既月食を横目に見ながら原稿を書いています。
月食は横目でみているとわかりにくいですね。(笑)
だんだん気温も下がってきたし、今年もあとすこし…。
来年こそは….って思うことがいっぱいありすぎます。
まだ今年を振り返るには早いですが、まぁまぁ頑張ったかなと。

さて、前回まではイケボになろうシリーズでしたが、今回はその中で出てきたプラグインを紹介しておきたいです。
それは何かというとマルチバンドコンプレッサーのPro-MBです。
マルチバンドコンプレッサーっていうのはどういうものであるかは前回軽く触れましたが今回は音とともに紹介していきます。

まずは一般的なコンプレッサーとマルチバンドコンプレッサーを比較してみることにします。

どこがどう違うか比較してみよう

一般的なコンプの画面:

マルチバンドコンプの画面:

ベースに使ってみる

今回はベースのトラックに使ってみましょう。
中域や高域には影響を与えずに低域部分だけ抑えて均一化を図るだけでだいぶ聞きやすくなるはずです。
まぁ一部を除いては同じ?気がしないでもないですね。
マルチバンドコンプもバンドを1つだけにしてフルバンドに適用するように設定したら普通のコンプと一緒ですよね。

基本的なパラメーターを同じ値にして聴き比べてみましょう。

まず、素の音。

何もしていないとこうなりますね。
私が弾いたベースですからしょうがないですけど、ムラがあったりします。

次にPro-C 2でコンプをかけてみましょう。

Pro-C 2:

コンプをかけただけあってレベル的には落ち着いて聴きやすくなりました。

これをマルチバンドコンプの1つだけのバンドを使って同じ設定を試します。
理論上は同じ音になるはずですが..

Pro-MB:

まぁ…そうだよねって感じですね。
同じといえば同じっぽいですけど、この使い方なら普通にPro-C 2を使った方がいいですね。

次にざっくりと低、中、高域と分けて前述した通り低域にだけコンプをかけてみることにします。

低域と中域の区切りは500Hzくらいで、中域と高域の区切りは4.5kHzくらいにしました。
この方法だと高域のプルによる派手さは原音のまま低域のサムの音に締まりが出て良い感じですね。
タイトなサウンドにはこういうのもアリかもしれません。

Pro-MBはコンプだけでなく、エキスパンダーとしての機能も持ち合わせているのでそれも使ってみましょう。
高域のプルの音の成分が目立つようにエキスパンダーを設定してみました。
ちょっとやりすぎな感じもしますけど…。

指弾きのギターなど、ニュアンスを表現する音を少し“盛る”感じで使ってみるものいいかもしれませんね。

今回はベースに使ってみましたが、その他様々な楽器の表現力を高めるために積極的に使ってみるのもいいかと思います。

福地 智也

Jimmy Nolen、Nile Rodgers等に影響を受け、 Blues, Soul, Funkをこよなく愛す。ギタープレーヤーとして杏里、倖田來未、片瀬那奈、さんみゅ~、楠田亜衣奈等のレコーディング、佐藤康恵のライブに参加、同サポートバンドでは、バンドマスターを務める。ギター 演奏、音楽制作のみならず、楽器、DAWのセミナー、デモンストレーションでは、難しい用語を使わずに、誰にでもわかりやすい内容が評価を受けてい る。 https://www.dopewire.net/