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FabFilter Tips vol.38

毎日暑くて暑くて溶けそうですね。
外に出ると身の危険な暑さなので自宅にこもって音楽作りをしましょうか。
こんなこと毎年言ってる気がしますが、今年はほんとに暑いっすね。
マイク録りをするボーカルやアコギを録るときはエアコンを止めないといけないのでサクッと終わらせたいですね。

アルペジオの音作りはどうしてみようか?

まずは(苦手な)アルペジオの音を録ってみました。

本来は、
一言でアルペジオと言ってもピックで弾くこともあれば指で弾くこともあります。 どっちが多いのかというと、私の印象ではエレキではピックで弾くこともありますがアコギでは指で弾くアルペジオの方が多い印象です。
指で弦をはじいた瞬間のニュアンスをきれいに揃えつつも、あまりアタックが目立ちすぎないような設定を探りたいと思います。
本来は、安定したタッチで弾けることがベストというか、前提なのですがなかなかそんな出来のいいテイクが録れることがないので、そこは修正しつつ進めていくことにします。

イコライザーとコンプレッサーはどうする?

前回、前々回同様まずコンプレッションのスレッショルドなどに影響してほしくない周波数帯域を抑えることにします。
マイクをソース(楽器や口元などの音を発する部分)に近づけると近接効果というものが生まれ、低域が増していきます。
一部のコンデンサーマイクにはこれを軽減するためにローカットフィルターが付いているものもありますが、今回は何もせず素のままの音を録りました。
この近接効果で増した低域やその他の必要ではなさそうな帯域を取り除きます。
こんな感じでしょうか?

低域をそのままにしておくと音色的にもブーミーであることだけでなく、低域のレベルが大きいためにコンプレッサーの動作が低域に対して反応するようになってしまいます。
5弦のベースとなる部分は音が出すぎないようにダイナミックコンプレッションによって抑えてみました。 ギターも弾き手も一緒なのに毎回値が変わるのは、奏法が違うこともありますし、マイクとギターの距離、それとマイクが違ったりします。

指で弦を弾く場合、ストロークに比べて音量が小さくなりがちなので、ニュアンスを拾うためにマイクを近づけて録ることも一つのアイデアですね。この辺のニュアンスをうまく弾きさせるといいのですが…。

余談ですが、マイクはストロークを録るときよりも15cmくらいまで近づけていますし、少し上目から高音弦に向けたセッティングをしています。
コンプレッサーによってアタックの音が前に出てきつつも奥行きが聞こえるようなセッティングになりましたね。
少しきつめにコンプレッサーをかけたので、Pro-C 2上でドライの音を出して元のニュアンスも残るようにしました。

まとめ

最後にリバーブをかけてみました。
この時も低域成分のリバーブはあまり大きく出ないような設定をしていますが、それ以外はPro-Rのデフォルトセッティングです。

福地 智也

Jimmy Nolen、Nile Rodgers等に影響を受け、 Blues, Soul, Funkをこよなく愛す。ギタープレーヤーとして杏里、倖田來未、片瀬那奈、さんみゅ~、楠田亜衣奈等のレコーディング、佐藤康恵のライブに参加、同サポートバンドでは、バンドマスターを務める。ギター 演奏、音楽制作のみならず、楽器、DAWのセミナー、デモンストレーションでは、難しい用語を使わずに、誰にでもわかりやすい内容が評価を受けてい る。 https://www.dopewire.net/