アレンジャー/プロデューサーの水島さん主宰のワークショップで3週に渡りPro-Q 3を紹介してきましたが、今週末で最終回です。
金曜日の夜遅くにたくさんの方が視聴され、Pro-Q 3を持っている参加者さんたちからも活発な意見をもらったりして充実した内容でした。
私自身も勉強になった感じです。
さて、先日Pro-Q 3の日本語マニュアルが完成したようです。
ディリゲントにもユーザー登録をすると無償で閲覧できるので、みなさんユーザー登録がお済でない方はユーザー登録後に確認してみてくださいね。
やりすぎた例を作ってみました
リミッターに限ったことではないのですが、エフェクターって使い始めはついついやりすぎてしまうことがあります。
ディストーションやコーラスなどと違って一聴してわかるほど激しい音色の変化がないので、慣れていないと「かかってるなぁ〜」とわかるまで激しくかけてしまいがちです。
コンプレッサーやリミッターは、激しくかけすぎると品がなくなってしまう可能性が高くなりますし、ダイナミックレンジが狭くなって表情もへったくれも無い感じになってしまいます。
今回はこの症状について聴覚的にも視覚的にも 確認してみましょう。
まず、リミッターがかかっていない状態を確認してみます。
波形の見た目的にもまだまだ余裕がありますね。
適度なリミッティングを行った場合
波形で見てみましょう。
だいぶ音で詰まってきていますけど、まだ波形らしい波形の痕跡は見えますよね。
では、極端にリミッターをかけた状態でどうなるか。
なかなかすごい音していますね。
ガチガチです。
波形を見てみましょう。
これが世にいう「ノリ(海苔)」っていう状態の一歩手前ですね。
波形とは、音が波打ってる状態を表すものですが、肝心な波がほとんどありませんね。
レベル的な観点で情緒もへったくれも無いということです。
音楽ジャンル的にダンスミュージックなどではこれくらいまでは突っ込んでも大丈夫だとは思いますが、アコーティック楽器のアンサンブルなどでここまで突っ込むと音が過剰に攻撃的になったり、音が潰れてしまうので適しているとは言えませんね。
リミッターをかけていくと音が大きくなってパンチが出てきて一聴するとカッコよく感じますが、作業を完了させる前にいったん作業を中断して耳を休めてからもう一度聴き直してみるといいと思います。
少し前までは音圧戦争とか言われて、レベルを突っ込むことが正義だと思われていました(一部ではまだ思われています)が、ガシャガシャうるさい音楽になってしまいますよね。
音数が多いと余計にその傾向は強いみたいです。
私個人の見解ですけど、隙間を埋め尽くしたものよりも、隙間、スペースが感じられ、抑揚や余韻が楽しめるサウンドの方が長く聴いていられるかなと思っています。
この辺の話って個人の好みで大きく差が出るので 難しいですねぇ〜。