今週の金曜日(3月25日)、夜9時半からアレンジャー、プロデューサーの水島康貴さんが主宰しているワークショップでPro-Q 3の紹介をしつつイコライザーについてのお話を担当させていただきます。
ここで、紹介している内容に加えてもっと突っ込んだこともお話しする予定なので、興味のある方は水島さんの公式LINEをフォローして参加申し込みをしてくださ〜い。
さて、前回、前々回はざっくりとリミッターの機能についてお話ししましたが、今回からPro-L 2の便利な機能などを交えつつお話を進めていこうと思います。
Pro-L 2の基本的操作は超~簡単
一般的なリミッターとPro-L 2の設定方法の違いの一つに、「パラメーターとして“スレッショルドがない”」ことが挙げられます。
よく見かけるリミッターにはスレッショルドがあって、レベルの上限を設定してリミッティングしていくのですが、Pro-L 2の場合は、前回説明したように出力をどのメディアにするか選択して、そのままでいいならそれ以上何もすることは無いですし、もっとレベルを突っ込みたいならゲインを上げていくと、設定した出力を超えた部分がリミッティングされるというシンプルな構成になっています。
その音の違いを聞いてみましょう。
前回も使ったトラックをそのままのレベルで聞いてみましょう。
左端のゲインスライダーを上げてリミッターが動作するくらいにあげるとこんな感じになります。
その時、リミッターの動作のキャラクターを8種類の中から選ぶことでき、楽曲によって合うものを選択するだけですね。
その他にアタック、リリース、ルックアヘッドなどのパラメーターもあり、作りこもうと思おうと詳細な部分まで調整することができますが、ざっくりと説明することこれだけです。
リミッターの基本パラメーター
Pro-L 2には搭載されていないものもありますが、リミッターというエフェクトを使う上で覚えておいた方がいいパラメーターを紹介します。
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Ceiling(シーリング):
天井のことですね。天井にある電灯をシーリングライトとかいうじゃないですか。
スレッショルドと同義?ですかね。レベルの上限を設定するパラメーターですね。 -
LookAhead(ルックアヘッド):
先読みをする機能のことでこの機能を持つとあらかじめ信号を先読みして過大入力があることに備え、先手を取ってリミッティングの準備をしておくことができる機能です。 この機能は便利な機能ですがその反面、先読みする量を増やすとレイテンシーが増えていくのでバランスが大切です。
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Attack(アタック):
スレッショルドやシーリングを超えた信号に対してリミッターが動作し始めるまでの時間で、長くすればアタック音を強調することができますが、長すぎると曲自体のグルーブを損なってしまうことがあります。短すぎるとアタックがすべて潰れてしまい、曲の勢いを失わせてしまうことがあります。
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Release(リリース):
スレッショルドやシーリングを下回った信号に対してリミッターが動作を終えるまでの時間で、余韻に対しての動作をコントロールします。長すぎると次のアタックにも影響したり、短すぎると余韻の途中でリミッターが動作を終えてしまい、不自然なサウンドになってしまいます。
楽曲のテンポやフレーズに合わせて調節することが大切です。
次回はリミッターでやりすぎてしまった時に起こる弊害についてお話してみようと思います。